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「24時間、料理の注文を承ります。」

公開している創作を大幅に書き直して、2022年11月、文芸社より発行していただきました。

現在、発売中です。

試し読み

ガジュマル、ごめん。

台風が近づいてきていますね。皆さんの地域は大丈夫ですか。

わたしの住んでいるところはまだ大丈夫です。本格的に台風の影響が出る時は明日と見做されています。だから明日は全体的にお休みです。公共機関も運休するんじゃなかったかな。就労支援もお休みになりました。

そんな時に、わたしが気にかけていることは何かと申しますと、ガジュマルです。

ええ、これまでに二回、記事を書いてきました、ガジュマルが。

いよいよダメになったのです。

ガジュマルといえば、あのふっくらとした根が特徴的でしょう? その根っこが萎んで、ふかふかしてきたからおかしいと気付いたのは今週初め。あわてて植物に詳しい友達に写真を送ったところ、「根腐れを起こしているよ」と言われてしまいました。土もダメになってるから、植え替えを実施したほうがいい。それでも復活するとは限らないかも、と言われて衝撃を受けました。

がーん。

気づかなかった理由は、一部の葉っぱがまだ青々としているからです。でも友達に言わせれば、わずかに黄色みを帯びているから危ういとのこと。一部の根が生きているから、まだ葉は生きている。

でもこのままだとよろしくない、というわけで、植え替えを実施したのです。

ふかふかしている状態の根を切り落とし、枯れている枝も切り落とし、まだしっかりした状態の根ごと、小ぶりな鉢植えに移動させました。水で土を洗うような感覚で水を大量にあげ、昨日は外に出していたんですよ。太陽を浴びて、水で潤い、元気になって欲しかったのです。

でも、台風が近づいているでしょう?

だから今日は、家の中にガジュマルをしまいこんで様子を見ています。見れば見るほど、青々として葉っぱを撫でたくなります。まだ元気に見えるのに。復活してくれないでしょうか、無理でしょうか。

もう、今ではあのふっくらとした根はどこにもありません。

ガジュマルは精霊の宿る木だと言われています。きっと精霊さんも弱ってしまったことでしょう。見えないけれど、見えないからこそ、二重に植木を苦しめた気持ちになってとても悲しい。

ごめんね、ガジュマル。

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