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「24時間、料理の注文を承ります。」

公開している創作を大幅に書き直して、2022年11月、文芸社より発行していただきました。

現在、発売中です。

試し読み

忘れるわけがない。

梅雨の合間に迎えた晴天です。

この時とばかりに、えいやっと晴天だからできる家事をこなしてきました。洗濯に、庭掃除。ついでにコーヒー豆も買って帰宅したところ、飼っている猫が訴えてきました。

いつものおかえりなさいとは、少々、違う様子。

は。もしや寂しくなってしまったのかな。最近、ゲームに夢中であまり遊んであげられなかった、という反省点に気づき、あわてて構おうとしたところ、ケージに逃げ込まれました。

ううん、遊んでほしいんじゃないの〜?

それともこれがこの子なりの遊びなのかしら。

とにかくケージに腕を差し込み、なでこなでこしていたら、噛みっ、と甘噛みされました。あいたー。でもかわいいっ。噛んだ後、ぺろぺろと舐めてくれるところもかわいい。お詫びのつもりなのかしら。いやいや、きっとこれは親愛の印。

ーーーー今月末でこの子は10歳になります。

頑張って長生きしてくれているなあ。や、最近では長く生きる猫の話をちょいちょい聞きますけれど、身近なところでは早くに亡くなる猫の話を聞いていたし、野良猫たちの短い寿命も目の当たりにしてきたのです。だから、余計に、この子が長生きしてくれている様をありがたく感じるのですよ。本当に嬉しい。

だからね、10歳の記念に首輪を注文しています。今。

や、今使用している首輪がすり切れてきているのですよ。だから買い替えてしまおうと考えて、「猫の首輪工房」というところに注文しました。6月初旬に申し込んでね、今、到着を待っているところ。デザインが豊富だし、何より、白い布に刺繍した飼い主の電話番号を、首輪の裏側に縫い付けてくれるから、ありがたいお店なのです。

まあ、そもそも首輪の迷子札が活躍するような目には合わせませんけれどね。我が家は道路に囲まれているから、猫にとって危険地帯なのです。そう言えば帰宅した時からひめちゃん、玄関から外に出たそうにしてたなあ。キケン、キケン! 外には出さないぞっ。

あ。またもやケージから鳴いてわたしを呼んでいます。

なにかな〜ブラッシングして欲しいのかな〜? でもケージの中にいる君をブラッシングするのは、……ちょいと無理だぞ。

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