押入れから出てきたのは、懐かし、小学生の時に買ってもらった虫眼鏡だ。
これでいろいろなものを眺めていたのよねえ、と感傷にとらわれながら覗き込んでみる。
やめておけばよかった。
布団の上に這っているありの存在になんて気づきたくなかったよ、ちょっとどこから侵入したのよもー! 殺虫剤を買ってこなくちゃ。おやつにたかられたら最悪だわ!!
無邪気にアリを追いかけた自分はもうどこにもいない。
013:レンズ▼
(短文 成長した女)
なにげにさくっと残酷な短文。ちなみにわたしは幼いころはありを集めて、巣作りを観察したんですけど、いまはもう無理。あの感性、どこに行ったんだろ?
2011/08/24