キラキラヒカル

夏が終わりに近づくと、わずかなモラトリアム期間が終了に近づいているなあと思うわけだ。
すなわち、夏休みの終了である。

「だーるー」

たまたま友達との時間が合わなくて、それでも残り少ない自由時間を勿体無く感じて街に出た。 一人で喫茶店に入るなんて気後れするけれど、スタバならまだ平気。 ホットラテにチャイシロップを入れてもらって、奥側の席を陣取って座る。 そろそろ暖かい飲み物が恋しい気候なんだ。

でも。

「だーるー」

いかん。声に出してた。
いくら正直な感想だからといっても、締まりがなさすぎでしょわたしの口。

夏休みの宿題は終わってる。だから心置きなく自由を満喫したらいいんだけど、再び始まる学生生活への不安ってやつが、この時期には暴れまわる。学生だからといって侮るなかれ。狭い人間関係はたぶん同じだし、それどころか、やがてやってくる受験や進路への不安は楽しい学生生活に潜んでいるのだ。早い人はもう、大学受験が終わってるしね。

温かい、ちょっと癖のあるコーヒーをゆっくりと飲む。

ふと、新しく入ってきた人が目に入った。社会人だろうな。早い時間のランチタイムって感じ。
……なんだか頭良さそうな人だなあ。スパスパ注文を決めてる。わたしたちみたいに「どれにしよ~」とか口にしなさそう。サラダロールを片手で食べながら、スマホチェック。かと思えば、書類か何か取り出して読み始めちゃったよ。

(いいなあ)

大人は私たち学生を羨むけれど、学生だって大人を羨むのだ。
特にもう、自分の道を見つけて仕事している人をみると、憧れる。

今のわたしは何者でもない。
ただの学生。子供。扶養家族。

サラリーマンなんて、OLなんて、という自虐的なコメントをよく見かけるけれど、組織の中に入ってない子供からすると、いろんな状況をちゃんと判断して仕事している人って格好いいと思う。暗いニュースが多いなか、自分の将来はちゃんとしているんだろうか。わたしはちゃんと働けるようになるんだろうか。不安に思い惑うからこそ、ちゃんと仕事している人をいいなあ、と思うのだ。

キラキラヒカッテル。

ねえ、それって学生だけじゃないよ。

027:キラキラヒカル▼
(現代もの 学生)

キラキラヒカル、というお題を見て、思い浮かんだことはやっぱり、大人たちが学生時代を見て「いいわねえ」と感想を言い合う場面でした。だがしかし、それでは面白くないなあと思って、逆の立場から考えてみたり。隣の芝生は青いと言いますが、キラキラヒカっているように見えるのは、お互い様だといいなあと思ったりしました。あと、子どもの頃、いいわねえと親戚に言われて複雑な気持ちになったことも思い出して、こんな感じになりました。子どもだって大変だったんだってばよ……!!

2019/08/28

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