国盗物語

国盗物語

認められる条件として、資格は有効でした。 (12)

「あら。ずいぶん遅いご到着ね」  小舟を降りて、島の中央に向かう。すると女が一人、佇んでいた。月明かりでは色彩がよくわからないが、すらりとした肢体の持ち主である。キーラは沖を見た。留まっている船から、合図の知らせはない。つまり女は船で...
2020.12.02
国盗物語

認められる条件として、資格は有効でした。 (11)

 次の満月の夜に、と、女は告げた。承諾を与える間もなく女は消えたが、こちらとしても異論はない。  だが、律儀に従うのは問題である。相手は敵なのだ。それも手段を選ぶことなく襲撃を繰り返してきた敵である。指定された場所に、罠を仕掛けている...
2020.12.02
国盗物語

認められる条件として資格は有効でした。 (10)

「はい、あーん」  麦粥をふうふう冷まして、魔道士の口元に運んだ。群青色の瞳が、面白がるように笑んだ。何か云うかと思えば、おとなしく口を開く。もぐもぐと頬が動き、喉仏が上下する。麦粥を呑みこんだ魔道士は、キーラをからかうように見つめた...
2020.12.02
国盗物語

認められる条件として資格は有効でした。 (9)

 しめあげた魔道士は、襟元をつかまれたまま気絶してしまった。  軟弱な、と舌打ちしかけたが、そもそもこの魔道士は数日にわたって絶食を強いられていたのだ。ケロッと忘れていた自分に、さすがに羞恥を覚えながらアレクセイを振り返る。  微妙...
2020.08.11
国盗物語

認められる条件として資格は有効でした。 (8)

『やれやれ。警戒心の強いこと』  甘やかに響く声は、それまでの声とまるで違う。これは女の声だ。キリルが顔をしかめ、背後でカジミールが「きもっ」と叫んだ。まあ、ひげもじゃ男の口から、甘やかな女性の声は聞きたくなかったかもしれない。キーラ...
2020.08.11
タイトルとURLをコピーしました