国盗物語

国盗物語

認められる条件として資格は有効でした。 (9)

 しめあげた魔道士は、襟元をつかまれたまま気絶してしまった。  軟弱な、と舌打ちしかけたが、そもそもこの魔道士は数日にわたって絶食を強いられていたのだ。ケロッと忘れていた自分に、さすがに羞恥を覚えながらアレクセイを振り返る。  微妙...
2020.08.11
国盗物語

認められる条件として資格は有効でした。 (8)

『やれやれ。警戒心の強いこと』  甘やかに響く声は、それまでの声とまるで違う。これは女の声だ。キリルが顔をしかめ、背後でカジミールが「きもっ」と叫んだ。まあ、ひげもじゃ男の口から、甘やかな女性の声は聞きたくなかったかもしれない。キーラ...
2020.08.11
国盗物語

認められる条件として資格は有効でした。 (7)

 すぐそばで見上げると、帆船の迫力はなかなかのものだ。  マーネの港からコーリャの船に乗り込むときにも同じ感想を抱いたが、今はそれ以上の圧迫感を覚える。たぶん、緊張しているからだろう。ゆらゆら揺れる小舟で、キーラは深く呼吸を繰り返していた...
2020.08.11
国盗物語

認められる条件として資格は有効でした。 (6)

 ぴかぴかにみがいた甲板は、あっという間に人で埋まってしまった。  仕方ないことだとわかっているが、みがいたばかりなのだ。思わずキーラは皆の足元を見つめ、「きれいにしてから歩いてええぇっ」と叫びそうになった。理不尽な衝動だとわかっている。...
2020.08.11
国盗物語

認められる条件として資格は有効でした。 (5)

「てええええいっ」  気合を入れて、キーラは甲板をこする。手に持っている実の下で、じょりじょりと砂が音を立てる。木材の甲板が削れていくのだ。まだ朝も早い時間だから、空気はまだひんやりしている。甲板磨きでほてってきた頬に、冷たい空気は気...
2020.08.11
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