廃園遊戯

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白い地図

「ごちそうさまでした」 綺麗に食器をからにした魔女が、きちんと手を合わせる。 すると通りがかった店のおかみが朗らかに笑いだした。 「こちらこそ。おいしそうに食べてくれたねえ」 「だって、事実、おいしかったのだぞ? おいし...
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「光あれ」

なかなかにシュールな光景だった。 境界線のこちら側は緑あふれる草原、境界線のこちら側は何もない土くれの地面、空間の色すら違うのだ。こちら側は光あふれる昼で、あちら側は闇に近い夜が広がっている。ぎりぎりのはざまに立ち、その不可思議な...
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蜘蛛の糸

「派手な登場だのう」 苦笑と共にシュナール老が告げる。合わせるようにアルセイドも苦笑し、ふと羨ましげに若長を見上げているカイナを見た。そういうところはまだ子供らしい。 だが衝動を抑え込んでいるようなので、微笑ましく沈黙してい...
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赤い屋根

ガイアより扉をくぐりぬけた先には、好奇心と心配とでいっぱいの顔が並んでいた。 アルセイドたちが無事に帰ってきたことを知ると、わっと安堵の表情が広がる。アルセイドは魔女と顔を見合わせ、少しだけ微笑みあった。家族もいない2人だが、見知らぬ人の...
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異人の踊り手

どこまでも続くかと思われた草原は、あっけないほど簡単に終わってしまった。初めて歩くガイアの地は、セレネとさほど変わらない。空気の臭いも、草や土の感触も、全く同じだ。歩く感触も違いはない。 ただ空には青い月がない。そのガイアに訪れて...
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