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「24時間、料理の注文を承ります。」

公開している創作を大幅に書き直して、2022年11月、文芸社より発行していただきました。

現在、発売中です。

試し読み

テレビジョン

テレビって必要かな?

唐突にそんなことを思った。いつものように深夜遅くに帰宅して、コンビニ弁当を温めている間、ふっと唐突に。

いわゆる社畜のわたし。
家にいても、ほとんどテレビを見ることもない。
テレビはいつも、黒く沈黙している。

(必要かな?)

ニュースをはじめとする情報はツイッターでも集められるし。
据え置き型ゲームなんて久しく遊んでいない。

ああ、映画とか観ようとしたときには必要か。

(でも映画を見るといってもいつ見るのよ?)

レンタルビデオも会員権を更新しないまま、数年がすぎた。
ネット番組で見るって、そもそも時間がないってーの!

そう考えると、テレビって必要ない気がしてきたなあ。

「手放そうかなあ?」

テレビを見ながら、そうつぶやたところで、電子レンジがチーンとなった。
よしよし、とりあえずご飯を食べよう、そう思ったときだ。

「手放すとはもしやわたしのことか」

唐突に美声が響いた。

一瞬、動きを止めて、あわてて振り返ったら、テレビのあったところに美青年が立っていた。和服姿の、艶々した長い黒髪が印象的な美形は、憂いを漂わせた眼差しでわたしを見つめている。

なんだああ、これ?

電子レンジの蓋を開いたまま、唖然と口を開いたわたしは、唐突に現れた青年に涙ながらに訴えられた。

どうか自分を捨てないで欲しい、と。

「いや、ええと」

わたしはせっかくごはんを温めたにもかかわらず、涙に濡れた美青年に迫られてごはんを食べられないでいる。

誰か、テレビジョンが擬人化したときの対処法を教えてください。

040:テレビジョン▼
(現代もの。社畜と擬人化したテレビジョン)

凄まじく時間がかかりましたが、いざ書き始めたらスルスルっと書けていたよテレビジョン。家にあるテレビを眺めながら、ふと思ったことをそのまんま描いてみました。いや、我が家のテレビは活躍しているよ。主に据え置きゲームを遊ぶときにね!!

2020/02/13

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