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「24時間、料理の注文を承ります。」

公開している創作を大幅に書き直して、2022年11月、文芸社より発行していただきました。

現在、発売中です。

試し読み

がんばったね、ひめ。

先日、おなじみの動物病院から葉書が届きました。だから今日、ひめを動物病院に連れて行ったのです。ええ、年に一度のお便りは、そろそろワクチンを射つ季節です〜というお知らせ葉書だったのですよ。

ついでに爪を切ってもらいましょう、とは、飼い主の下心です。ひめはマンチカンであるため、飼い主ひとりでは爪を切ることが難しいのです。ほら、マンチカンは手足が短いでしょう? だから他の猫よりもずっと、手足に触られることをいやがるのです。強引に抑え込んで切ろうとするのですが、短い手足が抜けそうな勢いで暴れます。おまけにマンチカンは心臓も弱い。なにかの衝撃で心臓が止まったら、と思うと、押さえ込むことも本気で怖い。

結果、飼い主はいつも動物病院に行って、ひめの爪を切ってもらうのでした。

ところでひめは今年で11歳になったのです。そろそろご高齢だから、今日はワクチンに加えて、定期検診もお願いしました。ですが、繰り返しになりますが、この子、手足が短いのです。つまり、採血がとっても難しい!!

ワクチン注射はあっさり終わりましたが、お医者さまと二人がかりで抑えつけて、爪を切ってからいざ採血を、という段階になったとき、この子は激しく暴れ回りました。というか、シャーと威嚇してわたしの手に噛みつきました。甘噛みではありません、どっぷり血が出るほどの本気噛みです。だから採血は諦めて、帰宅。

怖かったなあ。

もし、わたしがひめに噛まれたことによって、万が一にでも亡くなることがあったら(SNSで何か見た)

ひめはひとりぽっちになっちゃいます。

いやああ、そんなのダメえええええっ! というわけで、ガッシガッシに傷口を洗いました。痛かったけれど、ひめをひとりにする怖さに比べたら平気です。バッシャバッシャと消毒液もぬりたくりました。結果、絆創膏を貼ったいま、熱も出ていないから大丈夫、なんだよね、と思ってます。

ひめは。

いま、わたしを見守れる場所で、落ち着いた様子で丸まっています。帰宅直後、ウエットフードをあげたからごきげんも治ったみたい。わたしが撫でたら、もういつも通りに目を細めてくれるから、色んな意味で安心しました。

今日はがんばりましたね、ひめ。

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