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公開している創作を大幅に書き直して、2022年11月、文芸社より発行していただきました。

現在、発売中です。

試し読み

「僕はゲームのように生きることにした」

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少し前に「わたし、間違えてた?」という記事を書きました。そのきっかけは、本田晃一さんというかたの動画を見て、本を読んだこと。なんと申しますか、いわゆる「初心に戻る」という気持ちになったのですよ。人生の初心に戻れた、というと「赤ちゃん返りしたのかよ!」というツッコミをしたくなるけれど、でも率直な感想を言うならそんな感じだったのです。

そんな気持ちが心地よくて、わたしはあれから何度も本田さんの動画を見てきました。でね、最近の動画を見たところ、どうやら本を出版されるらしい、と知ったのです。だからウキウキとiBooksで予約して今日、いそいそと早起きして読んでいたのでした。

目次

「僕はゲームのように生きることにした」

それがこちらの本です。「僕はゲームのように生きることにした」ーーーーなんだかタイトルから楽しい気持ちになる本だなあと感じました。この本はアマゾンランキングでは上位に突入した本なんですけれど、なるほど、売れる本はタイトルから違うんだなあ、と考えてしまいましたね。

内容はとても素直な文章で、本田晃一さんのこれまでが書かれています。はじめは村人Aだった、とおっしゃる通り、はじめのとっかかりは、わたしでも「わかるわかる」と共感できる気持ちが描かれていました。冴えない高校生、いけてないなと感じる自分をなんとか好きになりたくて、自分を誇りたいと感じて、オーストラリアに旅に出たと書いてあります。でもそのオーストラリアの旅も挫折しまくりで、と書いてあるところに、わかるわかる、という気持ちになりました。

わたしも覚えがあります。自分を好きになりたい、誇りたい、特別な存在になりたい。ただ、わたしは実際に行動することは少なかったように思えます。オーストラリアに旅行なんて思いつきもしなかったなあ。

代わりに、と言ってはなんだけど、特異な活躍をしている主人公の本を読んで、その主人公になったつもりで毎日を過ごしていたかな。たまに日常の、ちっぽけな自分に戻る瞬間があっても、すぐに本の世界に戻るという日々でした。まあ、だからこそ、両親が離婚して祖父母に預けられて育つという環境でも、己の不幸に浸らずグレることもなく毎日を過ごすことができてたんですけれど、まあ、それでも澱みが溜まりきって成人して間もなく、わたしは統合失調症になったわけですよ。

閑話休題。

でね、「わかるわかる」という気持ちで追いかけてた青年が、どんどん成長して父親の会社の手伝いを始めるところまで読むと「すごいなあ」という気持ちになりました。さらにその後、インターネットに目をつけてどんどんプロフェッショナルになっていくところを読んでいるときには羨ましいと感じました。わたしもこういう人生、歩めたらどんなに良かっただろう。チリリと思いました。

でも反発にはならなかったんですよね。なぜならとても素直な語り口で、その心情を書かれていたから。どんどん発展していっているように見えるけれど、その心情はいまのちっぽけなわたしにも理解できるところ、共感できるところがあったのです。

むしろ、この先、どんな感じに気持ちが変わっていった? という好奇心もありました。それから今のわたしでも共感できる状況からどんなふうに考えてしあわせに見える人生を獲得していったんだろうという、人生をしあわせにするヒントを盗み取りたい気持ちで読み進めていったのです。

ええ、下心が満載です。でもこの本って、そういう下心をまるっと肯定してくれる雰囲気が漂っているんですよね。本の表紙には武田双雲さんの、「純粋なシタゴコロとまっすぐな想い、そして沢山の学びと奇跡が溢れている」と書かれています。だからなのかなあ、わたしが抱いた「ゆるっと気楽に生活していきたい」という下心も肯定されている気持ちになったんですよねえ。

そうして今、読み終えて何だかスッキリした気持ちになっています。あそこが良かった、ここが良かった、という細かなところは思いつかないんですけれど、ただ、素直に「ええもん読んだなー」という気持ち。今、わたしがやりたいと感じていることをもっと大好きになれるような、そんな気持ち。書きたいと感じている物語をもっと、喜んでもらえるものにしたいなという素直な向上心がふつふつと出てくるような、そんな気持ちになっています。

数日前に書いた記事では、このかたの考えを聞いて、自分が間違えてる方向に進んでいるかも、という気持ちになったと書きました。でもね、そうじゃない。間違いとかそういう尺度は必要なくて、どんな状況からでもわたしはしあわせになれる、という奇妙な確信が出てきたのです。そのための秘訣を、ちょこっと分けてもらったような、そんな気持ちになっています。

とりあえず愛猫を抱きしめて「ありがと〜!」と叫んでみた。

ところで、iPadで本を読んでいる間、わたしのそばには飼っている猫が丸まっていたのでした。ベッドでね、横たわって本を読んでいる間、目覚めたこの子は、ズボッとわたしの腕に入ったりしてたの。体勢を変えたら、すぐそばで丸まったのです。いつもより早い目覚めだから、ごはんの時間は早いかなあと考えて、その小さな頭を撫でたりする程度しかかまってなかったんですけれどもさ。

この本を読み終えて、相変わらずそばにいる猫ちゃんを見ると、しあわせだなあという気持ちになりました。

もともとわたしは、飼っている猫ちゃんに対して愛の言葉を惜しまない人間です。ええ、猫好き人間として「かわいいねえ、ひめちゃん」とか「もう、大好きー!」とか「ありがとうね、そばにいてくれて」という言葉を惜しまずに語りかけています。だからこそ、我が家のひめはかわいらしく美しく、11歳になろうという今でも、若々しくおてんばな、かわいこちゃんなんだと信じています。

でね、この本を読み終えたあと、感謝が大切だという言葉に深く共感したわたしは、とりあえず猫ちゃんを抱きしめて「ずっと読書させてくれてありがとうね」と語りかけたのでした。そうしたらごろごろと鳴いて、ぺろぺろ指を舐めてくれたから、朝からしあわせな気持ちになりました。

そうして起き上がって、ひめや地域猫たちのごはんを用意して、わたしも自分のご飯を食べて、就労支援の始まりまであれやこれやとしていたのです。そんな、毎朝のルーティンをこなすときも何だか楽しかった。それからちょっとつまり始めた小説のアイディアと向かい合ったとき、「よし、書いてみよう」という気持ちになれたことが嬉しかったです。や、実は昨日は、「他人様にとっておもしろいかなあ、編集者さんを楽しませることのできない本なんじゃないかなあ」と思いついて辛かったのです。

そんなふうに、この本を読んでから始めた今日という1日が、すごくいい感触の1日になってるから、今日のブログ記事はこの本について書くことにしました。おすすめの一冊ですよ、ぜひどうぞ!

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