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「24時間、料理の注文を承ります。」

公開している創作を大幅に書き直して、2022年11月、文芸社より発行していただきました。

現在、発売中です。

試し読み

天気予報とは無関係。

わたしは基本的に、たっぷり眠るように心がけています。

そもそもは持病(統合失調症)の再発を防ぐため、という理由があったのですが、たっぷり睡眠による効能を実感することが多いからです。質の良い睡眠をもてると、気分はすっきり爽やかですしお肌の調子もいい。病気の再発率も減少する(気がする)。他に、体調がちょっとおかしいな、気分が鬱々しているな、という時にも眠ります。そうしたらほとんどの場合、わたしは元気になれるんですね。

でも今日のわたしは、あまり眠れませんでした。

23時に眠って、26時に目が覚めたのです。ええ、深夜2時に目が覚めました。理由はわかりません。トイレに行きたいわけでもなければ、寒すぎるというわけでもありません。ただ、不思議なほどぱっちりと目が覚め、寝直そうと思っても眠れない状況だったのです。

困ったなあ、と感じました。でもなんというか、まだ眠りたいという感触ではなかったのです。それどころか、たっぷり眠ったような感覚。不思議です。この時、3時間くらいしか眠ってなかったんですよ? それなのにどうして、という気持ちと、いっそ起き上がってしまおうか、という気持ちで半々になっていた時に、唐突に、わたしは次に書きたい物語を思いついたのでした。

「やったあ!」と思いました。

それでもすぐに起き上がらず、寝直そうとしたのです。ええ、本日だって就労支援の予定があるのだから、しっかり休まないと差し支えるでしょう? でもそう思って眠ろうとしても眠れず、ギンギンと目が覚めたわたしは、閃いた物語の詳細を考え続けて、朝を迎えたのでした。

なぜ新しい物語を書こうとしているのかと申しますと、ひとえに、公募に応募したいからです。ほとんどの公募、小説賞では受け付けている小説の条件として、未発表の作品と掲げています。昨今の事情を顧みたのか、投稿サイトに投稿した小説も可としているところも多いのですが、わたしが応募したいと考えている賞は未発表の作品であることを条件にしているのです。

だから、個人サイトとはいえ、ネット上に公開している未完の創作を完成させて応募してはいけないのだろうと考え、新しい物語のしっぽを掴もうと、最近のわたしは四苦八苦していたのでした。

わたしは昨年、自費出版で本を出版しました。

ありがたいことに、読んでいただいています。目の前でわたしの本を購入してくれる人もいました。お手紙を送ってくれる人もいました。そして小学生や中学生のお子さんが読んでくれている、と知った時に、わたしは強く感じたのです。ーーーーああ、作家になりたいな、と。

正直にいうと、自費出版した時、「これがわたしの最初で最後の書籍になるかもしれない」という気持ちがありました。作家を志して、もう二十年です。決して多作ではないから作家として活動するのは無理なのではないかと感じることが増えていたのです。次から次へと物語を書けないなんて、趣味で書き始めた創作の完結もできないなんて、商業作家としてやっていくのは難しいんじゃないか、と考えるようになっていたのです。

だから本を発行する前は、「これがわたしの区切りになるかもしれない」とも考えていたのです。

でも実際に、本を発行して、読んでくださる方々を知って、その反応を目の当たりにして。

自分でも思いがけないほど、強く、次の小説を書きたいなあ、と感じました。ワクワクさせたい、たくさん喜ばせたい、スカッと気分転換させたい。

すでに就労支援を開始して、就職するための活動を開始していたわたしですが、それでも、もっと楽しい小説を書きたいなあと感じたんです。今回、出版社さんにお願いした自費出版という方法は、何度も挑戦できる手段ではありません。それでも本を発行したい、作家になりたいと感じたんです。だから、次は公募に挑戦しようと考えて、試行錯誤していたのですね。

その、公募に出せそうな、新しい物語が見つかって、今日のわたしはとても浮かれています。

就労支援に手を抜くことはしませんでしたが、休憩時間を迎えるたびに、アイディアノートを広げて、思いつくことを書いていきました。そのアイディアときたら支離滅裂。全部のせ状態です。ああいう展開もいいな、こういう展開もいいな。どちらの展開が、読者さんを楽しませてくれるだろう? 就労支援が終わってからずっと、夕食の時間になるまで、わたしはウキウキと考えていたのですよ。

だから今日、わたしが日記に書けることと言ったら、そう多くありません。就労支援以外、特別なことはしていません。ごはんを食べて、お茶を飲んで、あとはひたすら机についてノートにアイディアを書く。時には猫を膝に乗せて、なでこなでこしながら思いつくことを書いていく。天気予報では雨が降ると言っていましたが、そんな気配を感じませんでした。でもそんなことどうでもいいや、とノートに向かい続けていました。iPhoneの歩数計は、614歩という数値しか弾き出していません。

そんな有様で、3月1日という日は終わろうとしているのでした。とても嬉しい1日でした。

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