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「24時間、料理の注文を承ります。」

公開している創作を大幅に書き直して、2022年11月、文芸社より発行していただきました。

現在、発売中です。

試し読み

断捨離と無駄遣い。

断捨離をしました。

今回は使ってないポイントカード何枚かと、この数年に読み返してない本を何冊か、手放すことに決めました。シュレッダーでカードを刻みつつ、手放すと決めた本の山を眺めつつ、思うことは。

わたし、超能力が欲しいなー、ということでした。

つまりね、今回、手放すと決めた本を購入する際、「この本はいずれ手放すよ」とわかっていたら、そもそも購入しなかったのに! という意味です。服もそうですけれど、いずれ手放すとわかっているものを積み上げていく時、「これらを購入しなかったら、そのお金を投資に回せたのになああ」という気持ちになるのですよ。

断捨離をする皆さん、そんな気持ちになりませんか?

ここで思い出しました。
子供の頃に「無駄遣いしないように」と言われて育ったことを。

一般的な家庭の、お金にまつわる躾でよく投げかけられる言葉だと思うんですけれど、幼いわたしにとってその言葉は理解できない言葉でした。欲しいと感じるものを、与えられたお小遣いで購入することの、どこが無駄遣いなの? と毎回、疑問に思っていたのです。

大人になって、一人暮らしするようになって。自分の生活を考えるようになって、育ててくれた人がいっていた「無駄遣い」の定義がわかるようになりました。

が、これほど難しい言葉はないなあ、とも感じています。

現在、購入する時に、「これは本当に必要なのか」「購入してどのくらいの回数、使い倒すか」など考えて購入しますが、それでも断捨離しようとした時に手放すものがあるという事実は、いまだに「無駄遣い」をしているということなんだろうなあとも感じます。

ただ、今回手放す本を、そもそも購入するべきではなかったかといえば、そんなことはないんですよね。最終的に手放すことを選びましたが、読んで感じて考えたことがあります。自覚は薄くても、わたしの心の栄養になってくれた部分があるとも気づいています。

だから「無駄遣い」の定義は難しいなあ、と感じます。

購入時、この本をいずれ手放すとわかっていたなら、その本を購入しないでしょうか。手放すとわかっていても、得られる何かを目当てに購入してしまうのではないでしょうか。その場合、それは無駄遣いになるのでしょうか。どうなのでしょうか。

と、思いつつ、でもやっぱり積み上がった山を見たら、複雑な気持ちになるのですよ。

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