MENU
「24時間、料理の注文を承ります。」

公開している創作を大幅に書き直して、2022年11月、文芸社より発行していただきました。

現在、発売中です。

試し読み

我が家独自。

食事の支度。ひさしぶりに楽をしようかなあと考えて、コンビニに行きました。糖質制限に向いたメニューはあるかしら? そう期待したのだけど、チキン入りのサラダくらいしか見当たらない。サラダの種類は多いけれど、美味しそうと思えばパスタ入りだったりするのよねえ。糖質制限中だから、パスタはダメなんだ〜っ! しくしく。

う〜。それなら家でできるのよう、と考えたわたしは渋々、コンビニ支払いを済ませて(こちらが本来の用事だった)帰宅。家にあるものでごはんを作りました。

それにしても、と、思い出すのはコンビニのおむすびたち。

美味しいですよね。ここ最近は食べてないけれど、コンビニのおむすびは海苔がパリッとしていて、具材も高級具材からおなじみ具材が揃っていて、大好きです。

でも我が家で祖母がよく作ってくれていたおにぎりの具材はないんだなあ。

そんな事実を確認して、今日もがっかりしました。美味しいんだけどね。どうして誰も思いつかないの。わたしも友達相手に布教しているけれど、広まったりしないのですよねえ。

なぜだ。

さて、その我が家独自と思われるおにぎりの具材とは。

ズバリ、らっきょうです!

そう、むかしから我が家のおにぎりの具材に、らっきょうが入ってるの。もちろんオーソドックスな具材のおにぎりだって作りますよ? 梅でしょ、鮭でしょ、昆布でしょ?

でも幼いわたしがいちばん好きな具材はらっきょうだったのです。

美味しいんですよね〜。パリパリしていて。甘酸っぱくてごはんによく合う。だからお弁当にもおねだりして加えてもらってました。ところが幼いころから不思議に感じてた事実なんですけれど、こんなに美味しいらっきょう入りおにぎり、どの家庭も作ってない。

祖母がひらめきで作ったおにぎりなんだなあ、と成長するにつれて知ったわたしですが、それならば、この美味しさを知ったら作る人が増えるのでは? と考えました。で、ことあるごとにすすめてきたんですけれど……。

悲しいかな。らっきょう入りおにぎりを作る知人友人はほとんどいなかった。

なぜだ。たこ焼きならチョコレートでもなんでも入れるだろうに、どうしておにぎりにらっきょうを入れる人はいないんだ。

まあ、理由はぼんやりとわかる気がします。
匂いが強烈ですものね、らっきょう。

でも美味しいのになあ、と思い出したわたしは、今日もらっきょう入りおにぎりを食べたいなあと考えるのでした。作りたい。ああ、でも作っても食べられないっ。

糖質制限終了までまだ間があります。終わるまで我慢よ、わたし!

目次