MENU
「24時間、料理の注文を承ります。」

公開している創作を大幅に書き直して、2022年11月、文芸社より発行していただきました。

現在、発売中です。

試し読み

「シャーロック・ホームズの建築」

当ページのリンクには広告が含まれています。

特筆すべき習慣ではないのだけど、わたしは週に一度、本屋に向かうようにしています。

欲しい本があって向かうわけではなくて、欲しい本を見つけるために向かうのです。電子書籍を購入するようになって久しいけれど、やっぱり書籍との出会いを求めるなら本屋さんに行ったほうがいいなあと感じているからですね。

そうしてひさびさに、わたしは書籍に一目惚れするのでした。

目次

「シャーロック・ホームズの建築」との出会い

そもそもの出会いは、紀伊国屋書店の一角でした。めん出しされていたことから、比較的最近に発売された本だと解ります。事実、2022年2月21日に発売されたというから、新しい本なんだなあと想像がつきます。(発売日で『おっ』となるかた、いらっしゃいますよね?)

でもこの本を見つけた時のわたしは「こんな本が発売されてたのか」ではなく、「なんて素敵な本が発売されたんだ」という興奮状態にありました。この本の存在なんて、知らなかったですよ、もちろん。電子書籍のおすすめにも表示されてなかったから、この出会いがなければ購入もできなかった一冊です。

表紙からして、素朴なタッチで描かれた建築が並んでいるんですもの。わたしの第六感が訴えてきました。「これは買わないと損するよ!」----うん、わかった、と即座に頷いたわたしは、手に取りそのままレジに並んだのです。

お値段は2000円プラス税。わたしのお財布事情からすると、少々お高いかな。でも購入してから読み続けているのですが、まったく後悔はありません。

そのくらい、魅力的な本だと実感しています。中のイラストもとても素敵ですし、描かれている文章ではあのシャーロック・ホームズの本編に触れる形で、建物の紹介がされています。そんな建物あったっけ、と感じる建物もありましたが、文章のおかげで思い出せます。

紹介されている建物は全部で17個だけれども、特別コラムにスコットランドヤードまで入っているところはさすがというか。知っていた部分もあれば、知らなかった部分もあり。読み応えがある、とっても素敵な本です。

これは、ヴィクトリア朝の英国建築が好きなかたにもおすすめできる本じゃないかしら。事実、わたしはヴィクトリア朝が好きなんです。でね、知らなかった建築知識を入手することができて、とても嬉しくなりました。

これで書いている小説に詳細な描写が書ける、という私情はさておいて、素直に楽しく読み終えました。そうして今、うっとりと本を眺めているところです。

かつてのイギリス旅行を思い出しつつ。

ところでわたしは、大学の卒業旅行に、イギリスを選びました。正確にはイギリスとイタリアね。そうしてかの有名なシャーロックホームズ博物館にも行ってきたのですよ。

そう、かの有名な「ベイカー街221B」に行ってきたのです。(厳密には違う住所だけど、ウェストミンスター市の許可を得てこの建物はこの番地を掲げています)

もう20年くらいむかしの話ですから、記憶も曖昧です。でも当時、かのシャーロック・ホームズの住んでいた部屋の再現を見て、大興奮した記憶は今もあざやかに残っています。展示されているひとつひとつの小物に感動しました。お土産にあの鹿撃ち帽を購入しましたっけ。この本を読んでいると、当時の興奮がよみがえってきて、とても楽しいひと時を過ごせました。

もちろんこの本にも、ホームズとワトソンが住む「ベイカー街221B」に関する記述があります。テラスハウスだろうという考察にうんうん頷きながら、格付けがあった事実を知りました。なるほど、探偵ならばそういうクラスに住むことができるのね、と知らない異国のランク付に感心させられたり。

改めて、シャーロックホームズ正典を読み返したくなりました。うん、何年ぶりになるのかしらねえ。幼いころに集めた本は手放してしまってるから、もう一度集めようかしら。正典の、どの部分に出てきた描写から考察された事実なのか、この本では丁寧に取り扱われているから、読みたくなるのですよ〜。この本に引用されている光文社文庫版を集めようかな。お財布の予算と購入本数を計算して、今後、どのくらいの期間が必要か、考えてみたり。

うん、この本でさらに今後の楽しみが増えたように感じます。

再びイギリスに行きたいと感じる。

そうして本を読み終えて思うこと。----ああ、イギリスに行きたいなあ。

今は無理ですけれどね、なにせかわいいニャンコちゃんがいるし地域猫活動もしているから旅行だってできません。ごはんをあげる問題が解決しませんからねえ。なにより、コロナだ・し! 気軽な一人暮らしではあるけれど、身軽ではない身には無理な話です。

でもいつか、行けるようになったら。

猫のごはんを代わりに用意してくれる人が見つかったら。いっときでも世話をしてくれる人が見つかったら、イギリスに旅立ちたいなあと感じました。

そうしてね、いまなお残っている建物を見て回りたい。もちろん食べ物も楽しみたい。イギリスの食事はまずいと言われていますが、最近ではそんなことはない、という言葉も聞きます。イギリス料理の料理本だって集めてますから、それらの料理を現地で食べてみたい。事実、むかしに行った時は、ごはんがまずいと考えた記憶はないですねえ。大英博物館にも行きたい。ホームズパブにも行きたい。ストーンヘンジを見に行ってもいいなあ。

夢がふくらみます。たった一冊の本がきっかけで楽しい夢想が広がります。
やっぱり本って偉大。

そんな事実を今さらのように書き添えて、今日のブログ記事を書き終えようと思います。

目次