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公開している創作を大幅に書き直して、2022年11月、文芸社より発行していただきました。

現在、発売中です。

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「不倫、それは峠の茶屋に似ている」

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月が変わると、ウキウキします。

それは新しい予算が始まるから。娯楽費に1万円を当てているんですけれど、その予算内に何を買おうかとワクワクするのですよ〜。でね、今月はまず、この一冊を購入したのです。

目次

「不倫、それは峠の茶屋に似ている」

その一冊とは、一条ゆかり先生の新しい本です。2022年6月29日に発行、とあります。二ヶ月も前に発売されてたなんて! そんなにも前に発売されていた事実に今まで気づかなかったのね〜と嘆きながら、iBooksにて購入いたしました。

ところで一条ゆかり先生といえば、皆さんは、どの漫画を思い出しますか?

わたしはですね、やっぱり「有閑倶楽部」です。子どものころ、購入してもらった雑誌に連載されていた漫画なんですよ〜。綺麗な絵で描かれている、スケールの大きなお話にワクワクした記憶があります。オリジナルビデオやカセット文庫も発売されていたんですよね。学生時代の乏しいお小遣いをやりくりして購入しました。新刊が出るたびにもちろん購入してましたとも。

この本には、その「有閑倶楽部」のその後が収録されています。

と言っても、ほんのちょっと、になるのかな。数ページの漫画と、一条ゆかり先生の考察が収録されているのですよ。あのキャラはこういう人物だからこんな感じのその後を迎えた、とか。それがね、一条ゆかり先生らしい、歯切れの良い口調で描かれているから、なるほどなあと素直に納得できてしまう。有閑倶楽部メンバーの同窓会も、なんとも「らしい」オチがついていて、とっても楽しかった。大好きな漫画の、思いがけないその後を読むことができて、とっても嬉しかったです。

もちろん、この本を購入して「よかったなあ」と感じた理由はそれだけではありません。

この本は2019年から連載されている「一条ゆかりの今週を乗り切る一言」に加筆訂正を加え、再編集して発行されたものです。「人生に悩める大人たちの気づきになるような連載がしたい」という依頼を受けて綴られた内容だから、ザクザクと思い切った論調で、成功や恋愛、美と健康に人生をテーマに語られています。

「この本に出てくる言葉は耳ざわりのいい言葉ではありません。むしろ耳が痛いんじゃないかしら」

これは「はじめに」で一条ゆかり先生が書かれた言葉。その通り、優しく勇気づける内容ではなかったなあ、と感じます。でもだからこそ、読み応えのある内容でした。40年も第一線を走って来た人ならではの、ザクザクと冴え渡った内容に、わたしは「面白い!」と感じたのですよ。すべてにうんうんと頷いたわけではありませんが、それでも読み終えた時にはパワーをいただいた気持ちになったなあ。

わたしにとっての金言:「オタクほど幸せなものはない」

この本には多くの金言が登場します。

いろいろな名言があるんだけど、でも今のわたしにとって突き刺さった言葉はこちら、「オタクほど幸せなものはない」という言葉です。

オタクだったんですよねえ、わたし。少なくとも、学生時代のわたしはオタクだった。

でも大人になるにつれて、オタクであった自分を忘れてしまったのです。当時の、あの熱量と同じだけの情熱を持って何かを追いかけることをせず、ただ、毎日の生活のやりくりに追われていました。や、そんな今の自分が真っ当な大人かといえばそうではないんだろうなあ、と感じる部分もあるんですが、でもだからと言ってオタクと言い切れるほど濃いかといえば、違うようにも感じられる。

だから、「だったら『みんなに愛されたい』という欲求は捨てて、そのエネルギーを『自分のことを好きになる』という方向に向けたほうがいいと思います」という言葉を読んだ時、射抜かれたような気持ちになりました。

あー。わたし、まだ中途半端にふたつの欲求に振り回されてるんだわ、とも考えましたね。「人によく思われたい」から真っ当な大人になりたいと感じ、でもどうしても「自分のことを好きになりたい」と感じるから、人に合わせている自分に自己嫌悪を抱いてしまうという。

だけど、わたし、もう40代半ばです。このまま中途半端なまま、自分をやり過ごすにも限界です。人生の終わりについて考える瞬間も多い。それこそ実りの少ない恋愛に執着するような、そんな人間付き合いにサヨナラして、自分のために時間を費やしてもいいのでは、と改めて感じました。

もっと自分を開発したいし、自分をもっと楽しませたい。しあわせにしたい。周囲に悪口を言われたって、悪口を言った人がわたしの人生の責任をとってくれることはありません。これからの人生、好きなものを追いかけて、極めたほうが、ずっとしあわせだと感じられたんですよ。

----まあ、でも、わたしはすでに動き出している気もしますけれどね。

なんと言っても、自費出版決めちゃったから! うん、これぞオタクの行動だわ。

だからもっともっと、突き進もうと思いました。小説を書けるほど好きなものをまた見つけて、追いかけて、小説を書いて、完結させて。好きなものには貪欲になろうと感じましたね。

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