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「24時間、料理の注文を承ります。」

公開している創作を大幅に書き直して、2022年11月、文芸社より発行していただきました。

現在、発売中です。

試し読み

餃子の皮。

ようやく迎えた、予定のない日曜日です。ゆっくり本を読む? それとも思いっきりゲームを遊ぶ? いやいや、今日のわたしには食べたい料理があるから、それを作ります!

目次

「作るのも食べるのも! まちどおしくなるごはん」

フォローしている料理アカウントのかたが、2022年3月に、本を出版されました。料理もさることながら、投稿されているイラストレシピやメニュー表がとても素敵なんです。だからね、本が発売された時にはいそいそとiBookで購入いたしました。

この著者さん「まいのおやつ」さんのレシピテーマは、「ちょっとの工夫で毎日楽しく」だそうです。人生の中で食事の回数は決まっているから、毎日、少しでも美味しいものを食べたい。でもときにはさまざまな理由で疲れてしまうこともある。だからこの本には、「無理なく楽しく作れて、元気がもらえる」レシピを掲載したのだとか。

購入した本を実際に開いてみたところ、フォローしているSNSでも見かけた、味のあるイラストと美味しそうな料理の写真が、数々のレシピと共に掲載されています。

もうね、それだけで楽しくなりました。

そして先日、フォローしているSNSアカウントにて、本には掲載されていないレシピが投稿されたのですよ。とっても美味しそうで、そのレシピをメモっておいたんです。

でね、本日、いよいよ、その料理をついに作ったんですよ〜。

キーマカレー餃子パイが今日のお昼ごはん。

お昼ごはんに作った、その料理とは、キーマカレー餃子パイ! 

電子レンジで作ったキーマカレーを、餃子の皮で挟んでオーブンで焼き上げた料理です。簡単でした! ひき肉をカレー粉などの調味料と一緒にレンジチンして、とろけるスライスチーズと一緒に餃子の皮で挟むんです。

SNSで初めてみた時、とっても美味しそうで涎が溢れそうになりました。

だからね、実際に作って食べた時には感動したのですよ!

ピリリとスパイスの効いたキーマカレーと、パリパリになった餃子の皮を一緒に食べると、なんだかスナックを食べている気持ちにもなります。でもしっかりメイン料理なんですよねえ、ごはんに合う。

なによりもね、作っている間、とっても楽しかったんです。正直に言えば、手抜き料理に慣れた身にはちょっと面倒でもありました。でも、まいのおやつさんがレシピに込められた想いは、上にも書いた通り、「無理なく楽しく作れて、元気がもらえる」ことーーーーその通りだったなあ、と感じました。ちょっと失敗した時もありましたが、そんな時は最強呪文「食べるのはわたし!」を唱えてやり過ごしました。

そうしてオーブンで焼き上がりを待つ時間。とてもウキウキしていましたね。白い餃子の皮が少しずつ色づいていく様を見守っていたんですけれど、何度ものぞきこんでしまうほど、楽しくて。

ああ、こんなふうに料理って楽しくすることもできるんだ、と実感しました。

なんでも楽しくできるかも。

わたしにとって料理とは、毎日、行わなければならない作業です。

や、ごはんを食べることは好きなんです。でも正直に言うと、そのごはんを作る過程が面倒くさい。せっかく作っても、食べるのはわたし一人なんだから、手抜きをしてもいいよね、という気分にもなる。面倒くささが極まったら、スーパーなどで惣菜を買っておしまいにする。残念ながら積極的に行いたい作業ではない。例外は、仲間達と作る料理教室だけ。あの時間は本当に楽しい。

そういう認識だったんです。でも今回、この料理を作って「あ、違うな」と感じました。

料理って楽しくできるんだわ。そう感じたんですよ。今回、料理を楽しく作っていた事実が、わたしにそう教えてくれたんです。面倒くさい過程は変わりません。でも楽しかった。キーマカレーもパイも本格的に作ろうと思えば、いくらでも本格的にできる、面倒くさい料理です。でも今回知った、工夫を凝らされたレシピによって、わたしは料理を楽しいと感じたんですよね。

その実感が、いろいろなことに対して、考えを巡らせました。

他にもある、億劫に感じているさまざまな作業も、もしかしたら工夫することによって楽しくなるんじゃない? と思いついたのです。庭の剪定や家の掃除、とても億劫です。やらなくちゃいけないから、という気持ちでこなしていました。でも、もしかしたら、それらの作業だって変わるんじゃない? 

工夫次第で、料理と同じように変わるかもしれない、と。

そんなふうに思いついたのですね。なかなか新鮮な発見です。や、具体的な工夫なんて思いつかないですし、やっぱりもろもろの家事は面倒くさいと感じているままなんですけれどもさ。変わってないんですけれど、でもどうせやらなくちゃいけないことなら、楽しくやっていきたいな、そのほうがお得じゃない、と気付いたのでした。

人生、それなりに長く生きていても、まだまだ、教わることってありますよね。

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