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「24時間、料理の注文を承ります。」

公開している創作を大幅に書き直して、2022年11月、文芸社より発行していただきました。

現在、発売中です。

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食欲との付き合いかた。

今日も今日とて、パーソナルジムに行ってきました。前回よりも体重が減っていて、「頑張ってよかった〜!」という気持ちになってきました。

それで今日、歩きながら気づきました。そう言えば、食欲との付き合いかたが変わってきたなあ、と。

どんなふうに変わったのか、今日は書いてみます。

目次

材料をはかって料理するようになった。

まずいちばんに迎えた大きな変化が、自分で炊事する料理です。

以前は目分量で調理していたのですが、パーソナルジムでダイエットを始めてから、材料を測って調理するようになりました。

つまりね、以前なら豚肉1パックあったら、1パックすべてを使って調理していたのですよ。わたしが購入していた1パックとは平均200グラム。一人前には多い量です。でも翌日に残したくなかったから、1パック丸ごと調理していました。調味料は目分量で適当に味つけていましたね。

現在は、一回の調理に1パックを丸ごと使いません。一人で食べるのだから、100グラムくらいで十分だな、と分けて調理します。残った肉はラップに包んでチルド室に入れ、できるだけ早くに別の料理に使います。1パック丸ごと使って料理するときもありますが、そういうときには、食べる前、お皿によそおう前に保存容器に移動させます。

つまり、一人分の食事量に敏感になったのですね。

以前は1パック使って調理したものを全部、大皿によそおっていました。それで食べる。多い時もあったけれど、残すと面倒だから無理して食べる。そういう時が多かったのです。

お菓子を買わなくなった。

意外かもしれませんが、わたしはお菓子の買い置きはしないタイプでした。

週に一度、お客さまがいらっしゃるから、おもてなし用のお菓子を買うくらい? だからといってまったくお菓子を買わないというわけではありません。

どういうことかというと、お菓子を食べに行っていたのです。

なじみの甘味処に行って、お店の人と話しながらソフトクリームあんみつを食べたり。コーヒーショップに行って季節限定のデザートを食べたり。

もちろん無制限に食べていたわけではありませんが、買い置きのお菓子を買わない代わりに、あちこちに出向いて食べていたのですね。

そしてそんな自分を「買い置きのお菓子を買わないなんてえらい〜!」と本気で思っていたのです。

お馬鹿さんがここに一人……。

現在は違います。食べたものをすべてパーソナルジムのトレーナーさんに報告しなければならないから、どこにもお菓子を食べに行っていません。買い置きのお菓子も購入してません。お客さまのお菓子を相変わらず購入していますが、ナッツとかデザートチーズを用意する、そういうふうに変化しています。

TVやSNSを見なくなった。

ダイエットと関係あるのか、と思われる変化ですけれど、ダイエットを始めてからTVやSNSを見なくなりました。

なぜなら、どちらにも食事のCMが多く流れるから!!

今の時期だと某ハンバーガー屋さんの新作バーガーが目に入ります。ぶっちゃけますと、それは目に毒です。正直に言いますと、食べたくなります!

SNSだって、他の情報を目当てに開くと、ぴょこんと唐突に、「食べたよ〜おいしかった〜!」という類のコメントと共に流れてくるから、わたしはだんだんとSNSから距離を置くようになったのでした。

まったく見ないというわけではなくて、1日にこの時間だけ、とか、制限するようになったのですね。おかげさまで新作だから食べなくては! という食い道楽ならではの義務感から距離を保っていられます。

たくさんの種類を、ゆっくり食べるようになった。

パーソナルジムで、いちばんはじめに食事の指導が入りました。そのときに受けた指導内容が、汁物、主菜、副菜を用意すること、でした。

それまでわたしの食事は、単品が多かったのです。たとえばうどん。たとえばお好み焼き。たとえばピザ! これではあかんとたまに副菜を用意することがありましたが、振り返ってみると単品で食事を摂ることが多かったように思えます。ズバリ、その方が楽ちんだからですね。

ですが、食事内容に指導を受けてから、変わりました。

面倒ですけれど、必ず味噌汁を用意しています。野菜を調理した副菜を用意して、主菜としてタンパク質を調理して。一人暮らしですけれど、なかなか手間をかけて料理しています。

そうして用意した料理をゆっくり、味わいながら食べるようになりました。

以前は、単品の食事を、SNSやTVを見ながら食べることが多かったのですけれど、今はお気に入りの曲を聴きながら、ゆっくり噛んで食べています。食べ終えた後、甘いものを食べたくなる時もありますが、お腹がいっぱいですし、そもそも買い置きがないから食べられません。

食べて、調整することを覚えた。

と、まあ、さまざまな変化が起きています。

ですが、そもそも食べることが好きなわたしです。たまに、たま〜に! どこかに食べにいきたくなります。友達からの誘われることもあります。

そういう時は、食べにいきます。

ここまで長々と書いてきておいて、それはありなのか、と追求されそうですが、わたしはありです、と断言しちゃう。食べに行くといっても暴飲暴食を薦めているわけではありません。あくまでも、一般的な量の外食です。

事実、これまでブログに書いてきました。友達の誕生日祝いに食事に行ったり車検の時間潰しにファミレスを利用したことなど。(ん? こちらは書いてなかったかな?)

ダイエット中だって外食してもいいのです。ただし、食べるときや食べた後に調整が必要です。たとえば、ごはんを減らしてもらうとか、いっそ無しにするとか。たとえば、食べたあとにたくさん歩くとか、夕食をプロテインシェイクにするとか。

パーソナルジムに通うようになって、わたしは外食をした時は調整する必要があると学びました。食べてもいいんです。ただし、調整すること。

以前は、外食したら調整する、なんて思いもしませんでした。お昼はごちそうを食べた、おやつを食べた。でも夕食もしっかり食べよう! という感じで、いたって無邪気に食事を楽しんでいました。それもひとつの有り様です。ただ、ダイエットしたい、痩せていたいと願うならば、やっぱり調整は必要だ、としみじみ感じるようになりました。

おわりに。

わたしの好きな漫画に、こういう言葉が掲載されています。

「食欲は動物なら初めから持っているものだけど、食事欲ってのは経験によって作られるんだ。美味しく楽しく気持ちよく食べた経験が、次もまた美味しく楽しく気持ちよく食べたいという意欲につながる。楽しく食べる力はそのまま楽しく生きる力になるんだ。(「ピリ辛の家政婦さん/小池田マヤ著」より)

食欲との付き合いかたが変わった、と気づいたときに、思い出した言葉です。

食欲と食事欲。このふたつをわたしは分けて考えなかったけれど、もしかしたら今のわたしは、このふたつの違いに気づくようになったのかもしれません。

以前のわたしは、食欲の虜でした。だからこそ自分の体を痛めつける結果になっても、食べ続けていました。

でも今は、食事欲を知ったのだと思います。食事を制限していますが、でも以前より食事を楽しいと感じています。いいえ、以前だって食事は楽しかった。ただ、以前よりもずっと、楽しむ余裕が出てきたように感じています。

ダイエットは体重を減量するために始めたもの。

けれど体重を減量する以外にも、食事とゆっくり向かう楽しみを知り始めたように感じています。ようやく。食材を工夫して調理することも、以前よりずっと楽しい。

糖質制限しています。食べられないものを恋しく想うこともありますが、食べられるものを工夫して調理する楽しみを、今のわたしは知っているのでした。

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