国盗物語– category –
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国盗物語
間章(8)
アレクセイの信頼する仲間は、息をつめたかと思えば、たちまち爆笑した。 やっぱり話すんじゃなかった、とはいまさらの後悔である。アーヴィングの反応は予想できていた。娼館に行くことがあっても、特定の女との付き合いはない。そんなアレクセ... -
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間章(7)
「まあ、幽霊どのはこのまま我が王宮に滞在なさればいいだろう。無駄に広い王宮だからな。幽霊が一人くらいいたほうが、面白味があってちょうどいい」 つまるところ、パストゥス女王はこの結論を伝えたかったらしい。アレクセイが厚情に対し礼を伝... -
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間章(6)
なによりも先に『灰虎』の仲間たちを想った。仲間たちは王宮に留まっていない。だから仲間たちは大丈夫だ、と考えることで、反射的にこわばった身体の緊張がほどける。 パストゥス女王は、じっとアレクセイを見据えている。観察の眼差しだ。だからアレ... -
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間章(5)
ふと目を伏せたのち、アレクセイは改めて目の前のパストゥス王を見つめた。 美貌と云うわけではないが、精彩に満ちた表情が印象的な人物である。加えて、型破りと表現したい人物だ。率直で不用心。会話運びに対してそう感じた。 いま、アレクセ... -
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間章(4)
キーラはつくづく、厄介な人物だと感じる。 理不尽な苛立ちを招く。侮ってはならない人物なのに、奇妙に軽侮の気持ちを抱かせる。面倒ならば無視すればよいだけだが、そうするにはためらいを感じさせる。妙に気にかかる。加えて、今回の件だ。本物のア... -
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間章(3)
王宮の客人、と云う立場は、退屈極まりない。 なにせ客室と書物庫、礼拝堂以外の場所への訪問を禁じられているのだから。与えられた制限に、最初はひやりとした。偽物だと疑っているから、制限されていると考えたのだ。 だが違う。おとなしく振... -
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間章(2)
「いやみのつもりはなかったのですが」 困ったように微笑みながら、アレクセイは内心、冷ややかにつぶやいている。 それはおまえの十八番だろ。従妹たちの行為を大げさに受け止めて、毎朝毎朝、呼ばれもしないのに出没しやがって。うっとうしいんだよ... -
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間章(1)
扉の向こうから喧騒が伝わってくる。 すでに起床していたアレクセイは、手早く身支度を整えていた。まただ。耳を澄ませば、聞きなれたやり取りが聞こえる。「ええい、どけと云っているだろ!」「なりません、姫さま」「殿方がお休みの部屋に乱入など、... -
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それでは資格を活用しましょう (18)
ぽかり、と、瞳を開いた。それまであざやかだった場面、スィンの記憶は、いまは遠い。 なにも考えないまま、なにもかも放り出して、キーラは身体を起こした。それでも魔道士として最後の欠片で、右手につないだスィンの手は放り出さない。まだまぶたを...
