国盗物語– category –
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国盗物語
それでは資格を活用しましょう (17)
ぜいぜい、と喘鳴交じりに王は微笑む。 「どうじゃ、ロジオン。我にもまだ、役立つ判断ができるぞ。アレクセイはの、信頼できる輩に預けたのじゃ。愚弟の犠牲にはさせぬ……!」「なにもおっしゃらないでください、王!」 浮かぶ涙をこらえながら、ロジ... -
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それでは資格を活用しましょう (16)
「ならぬ」 ロジオンの話を最後まで聞いて、王はきっぱり告げた。柔和な顔に珍しい険しさを浮かべている。 それはそうだろう、ロジオンの提案はすなわち、自国の民で災いを鎮めようとも受け取れる。王の反応から、説明が足りない事実に気づいたロジオ... -
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それでは資格を活用しましょう (15)
もし、あのとき別の方法を取っていたら。 穏やかな生活を送りながら、いつでも意識の底で考え続けていた。あの若者を除外するのではなく協力を求めていたら、別の道が開けていたのではないかと。 * 王は小心者で、臆病だ。 王宮に向かい... -
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それでは資格を活用しましょう (14)
いろいろな場面を眺めながら、キーラは苦笑していた。 魔道の方向が、自分の肉体に向かっている事実に気づいていた。だから方向転換しなければ、と考えながら、動き出せなかった。スィンの肉体に修正をかけるには慎重にならなければならないし、なによ... -
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それでは資格を活用しましょう (13)
あたしの心に、唐突に飛び込んできた。 初めてだったから。これほどあざやかに飛び込んできた人はいままでいなかったから。 気にかけてしまう理由は、だからきっとそれだけ。 * (あーあ) あちこち駆けずり回って、見つけた教科書は中... -
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それでは資格を活用しましょう (12)
スィンが承知したため、魔道を行うための準備を整えていく。 雌虎レジーナに魔道をかけたときは、なにせ状況が切迫していたし相手が畜生だったから、さほど気を遣わなかった。だが今回、魔道をかける相手は人間なのだ。重大な悪影響が残っては大変だし... -
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それでは資格を活用しましょう (11)
せっかくの提案だが、ひとつだけ、大きな欠点があるとキーラは気づいていた。 キーラとスィンの意識をつなげる。つまり、互いの記憶を交流させるという意味である。 だから厳密に云えば、スィンの秘密を守れない。少なくとも、キーラに知られてしま... -
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それでは資格を活用しましょう (10)
記憶とは、生物に蓄積される情報だ。わざわざ意識しなくとも、自動的に蓄積される。 だから蓄積先である生物が存在する限り、情報の喪失はあり得ない。表面意識から喪失したように見えても、情報は依然として蓄積されたままだからだ。 ただ、蓄積情... -
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それでは資格を活用しましょう (9)
だからか、とか、初耳だ、とか。さまざまな感想が生まれて、頭の中でぐるぐる回る。口を開けたまま、沈黙していると、ギルド長が眉をひそめて「これ」と告げた。 「そのような表情をさらすものではない。見るからにまぬけじゃぞ」「ここには鏡がないから...
