国盗物語– category –
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国盗物語
それでは資格を活用しましょう (8)
ギルド長は目をまたたいた。気が抜けた表情は、キーラの発言への率直な驚きを示している。だが、すぐに表情を引き締めて、顎ひげを撫でた。ちらちらと好奇心あふれる眼差しに、誤解されている事実に気づく。キーラはぱたぱたと片手を振った。 「結婚した... -
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それでは資格を活用しましょう (7)
まじまじとギルド長を見つめる。穏やかな表情にある真意を読み取ろうと試みた。 だが、わかるわけがない。相手は海千山千を潜り抜けた狸どのだ。すぐに気付いたキーラは、諦めて口を開く。相手がなにを考えているのか、さっぱりわからない。ただ、自分... -
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それでは資格を活用しましょう (6)
たかだか自警団の食堂とは侮れないほど、用意された食事は美味しかった。 調理人に話を聞けば、もとはこの建物は宿屋だったという。ところがモーメントゥムの導入により、利用者が激減した。それはそうだ、労働力を提供したら無料で食事と宿泊場所を提... -
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それでは資格を活用しましょう (5)
「わしとしては、おぬしこそなぜここにおる、と訊ねたいところだのう」 ずずず、とまずはお茶をすすって、キーラの問いかけに対してギルド長は質問を返した。 キーラと『灰虎』の契約内容を踏まえた発言に、ぐ、とキーラは息をつまらせた。ギルド長は... -
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それでは資格を活用しましょう (4)
灰色の瞳が、ちらりとキーラを見た。なんの含みもない眼差しだったが、反射的にキーラはうつむいていた。いま、表情を確認されて、考えている内容を見透かされたくない。自分自身でも明確に捉えられない、もやもやを他人に推察されたくない気持ちが強か... -
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それでは資格を活用しましょう (3)
まぬけだわ、とうめくようにつぶやいた。なにが人違いだ。なにが、間違いなく、だ。 物事を楽観視していた自分を笑いたくなる。やはり『灰虎』はキーラを手配していたのだ。額を押さえて頭を振ったキーラを、スィンが眉を寄せて見つめてきたが、それど... -
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それでは資格を活用しましょう (2)
「では。いまのきみは、やろうと思えば魔道で牢屋を吹き飛ばせるのか」 キーラの主張を聞いたスィンがそう云い出したとき、キーラはむっと眉を寄せて、正面にある顔を睨んだ。 「ちょっと。念のために確認しておくけど、吹き飛ばせって云うんじゃないで... -
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それでは資格を活用しましょう (1)
ぐるるるる、と二重に響いた音に、もはやため息しか出ない。 ぽんぽんとなだめるように、お腹を叩く。切ないね、哀しいね、お腹空いたね、と呟いてもよかったが、正面からじっとり向けられる眼差しに、キーラは沈黙している。 (せめて水でもあればな... -
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そういえば有益な資格でした。 (16)
父親の洞察力は侮れない。スィンは確かに、里長宅の裏庭にいた。 大きな樹木の根元に、幹を背もたれにして空を仰いでいる。離れた場所からムジャンがスィンを見守っていたが、里長(と、ついでにキーラ)に気づくと、一礼して立ち去った。いまから移動...
