国盗物語– category –
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国盗物語
そういえば有益な資格でした。 (15)
暴走。衝撃的な単語である。 沈黙したキーラは唇に指を当てて考え込んだ。なるほど、納得できる。キーラと雌虎の意識がつながっているから、雌虎が妙に人間じみた行動するのだ。ぽんぽんと見上げてくる雌虎の頭を叩き、苦笑を浮かべて里長を見つめた。... -
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そういえば有益な資格でした。 (14)
キーラももちろん驚いた。なにせ、唐突に云われた内容だからだ。 ただ、なぜという感覚は薄い。スィンは明らかに精霊ではない。むしろ人間にしか見えなかったものだから、里長の言葉に、納得すらしたのだ。だが、当然のことながら、本人にとっては納得... -
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そういえば有益な資格でした。 (13)
「そなた、なにものだ?」 ゆっくりと腕を下ろし、里長がぴんと張った声で問いかけてきた。ぎゅ、とこぶしを握り締めたが、すぐに答えを返せなかった。だが応えないわけにはいかない。震えるように吐息をついて、思い切って里長を見返した。 「キーラ・... -
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そういえば有益な資格でした。 (12)
拘束された精霊たちが、つぎつぎと一か所にまとめられている。ほとんどが大小の傷を負っているが、死に至るほどひどい傷を負っている者はいない。 たしかに相手の目的は、精霊たちの命を奪うことではなく、里から連れ去ることなのだろう。ただ、ムジャ... -
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そういえば有益な資格でした。 (11)
だがいまは、若者の種族を追求している場合ではない。 この間にも剣呑な騒ぎは続いている。けたたましい怒号と、魔道が放たれる気配。ときに剣戟すら混じっていて、まさにいま、里では戦いが行われているのだとわかる。どういう状況か、把握しようと身... -
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そういえば有益な資格でした。 (10)
「里に戻らなければならない」 混乱したキーラに代わって、若者が明確な方針を告げる。 こめかみから指を離して見つめると、意外なほど引き締まった眼差しを向けられていた。 「きみはもちろん、きみなりの懸念を抱えているのだろうが、いつまでもここ... -
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そういえば有益な資格でした。 (9)
「精霊王ってなに? 次代精霊王ってなんなの。そもそもルークス王国には幽閉されているとはいえ、人間の王さまがいるでしょ。それなのに、王ってどういうこと」 自失は一瞬だけだ。すぐに自分を取り戻して、つぎつぎと質問を放った。若者は目を丸くして... -
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そういえば有益な資格でした。 (8)
ぜいぜい、と荒く息をつく音が聞こえる。 適当に聞き流しながら、集めた力をうすく広げていく。地面から半円状の幕を張り巡らせるイメージだ。若者と雌虎、キーラの三者を包んだところで力を留める。 これで簡易結界の出来上がりだ。言葉を使用して... -
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そういえば有益な資格でした。 (7)
(ちょっと都合の良すぎる展開ね) 心の内でつぶやくキーラには、もちろん成り行きを警戒する気持ちがある。 若者が導く先に罠が待ち受けている。そういう種類の警戒はしていない。若者の言動は的外れな印象があるが、少なくとも嘘を云われている感触...
