国盗物語– category –
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国盗物語
反撃するための資格 (2)
各国の事情を考えてみたら、工作員がいるのは当たり前である。 ルークス王国は他国が持て余していたモルスを受け入れた国だ。そんな国の政治が不安定になれば、後ろ暗い事情を抱えた国々は不安になる。だからルークス王国の政権を握った魔道士たちを見... -
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反撃するための資格 (1)
「ばっかもんがーっ」 広間を出てしばらく歩いたところで、キーラはいきなり怒鳴りつけられた。 ぱちくり、とまたたいて振り向いたところ、顔を真っ赤にしたギルド長がずかずかと近づいている。その後方からゆったり歩いている人物はスキターリ... -
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無資格は行動しない理由になりません (12)
ぐ、と、アレクセイがこぶしを握りこむさまを見た。かと思えば、身体をひるがえして、扉に向かう。いつもより速足でキーラの隣を通り過ぎていくものだから、あわてて振り返って扉の前に立ったアレクセイを見た。背中を向けたまま、アレクセイの声が聞こ... -
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無資格は行動しない理由になりません (11)
(え、) いやな名前を聞いた、と、いちばんに感じた。 少なくとも、ここで聞きたくない名前だ。なんで。なぜ、いま、その名前を聞かなくてはならないのか、と、キーラは硬直した。やがて、ぎぎぎ、と動いて、仲間たちの反応を見る。チーグルは眉間に... -
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無資格は行動しない理由になりません (10)
くん、と反射的に鼻を動かして、芳香を追いかけていた。たまらなく素敵な、うっとりするような香りだ。華のようにみずみずしい甘さがあって、かすかにスパイシーでもある。 さすがは王の部屋、とキーラは感心した。わざわざ香を焚いているのか豪勢なこ... -
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無資格は行動しない理由になりません (9)
(予想していたけれど) 長く使われていない通路と云うことは、すなわち、長い間、だれも掃除していない場所と云うことである。狭い通路を進みながら、キーラは羽織ったマントを握りしめた。 (けっこう汚い) 蜘蛛の巣や壁にくっついた土汚れ、触れそ... -
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無資格は行動しない理由になりません (8)
「少数だからな。正面切って乗り込むより、こそこそ忍び込んだほうがいい」 チーグルの部屋に集まって、裏付け調査に向かっていたセレスタンがそう切り出した。 なにしろ簒奪王救出のために用意された人間は、わずか五名だ。これだけの人数で城... -
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無資格は行動しない理由になりません (7)
途中で休憩をはさみ、たどり着いた街は予測通り、寂しい印象がある街だった。 街から望める高台に、くすんだ赤色の城がある。石ではなくレンガ造りの城とは珍しいな、と考えていると、一足先に宿屋を探すために街に入ったキリルが戻ってきた。ひ... -
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無資格は行動しない理由になりません (6)
ルークス王国には、王族が所有する城がいくつか、存在する。 これはかつて、王があちこちに移動して政務をとっていた時代の名残だ。いまは王都サルワーティオーにある城が王宮として扱われているが、厳密に云えば、王宮とは云えない。政務の中心であっ...
