国盗物語– category –
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国盗物語
無資格は行動しない理由になりません (5)
(なによ。なによなによなによ!) ずかずかと王宮の廊下を進む。瀟洒なワゴンががらがらと乱暴な音を立てている。 だが感情が鎮まるにつれて、だんだんと恥ずかしく感じ始めた。アレクセイに訴えた部分もそうなら、いま感情的になっている自分... -
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無資格は行動しない理由になりません (4)
キーラが魔道能力を失った日の出来事だ。唐突に現れた第一位王位継承者を、王宮を管理していた侍従長は、恭しい態度で出迎えた。なにぶん、失われていた王位継承者の証を持っていたことだし、仮にも王族と名乗る存在を疎かに扱うわけにはいかないからだ... -
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無資格は行動しない理由になりません (3)
シェーリチの塩漬けに、カポゥスカと牛ひき肉の炒めものをつめたピラシキー、クヴァースと呼ばれるライ麦の発泡性飲料が、アレクセイの今日の夜食だ。睡眠前だからあまり重くならないように、とお願いしたのだが、これはどう見ても多いのではないだろう... -
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無資格は行動しない理由になりません (2)
こんこんこん、と扉を叩かれ、我に返ったキーラはあわてて応えた。 「キーラ、レフ。いつもの配達が届いたよ。お昼にしよう」 にこやかに笑いながらロジオンが扉を開けた。もうそんな時間、と、驚いていると、脇でレフが大げさに息をついた。 「... -
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無資格は行動しない理由になりません (1)
「ありえない」 三角に折った布で口元をおおい、ばたばたとはたきを動かしながら、キーラはつぶやいた。鼻までおおっている布が邪魔して明確な発音にならなかったが、同じ部屋で同じ格好をして、同じ行為をしているレフはしっかり聞きとがめたよう... -
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資格が無効になる日 (15)
その集落がどこにあるのか、キーラはまったく知らない。教えられもしなかった。 魔道士ギルドより古い時代から存在している集落で、もとは魔道による暗殺を請け負っていた。だからこそ、戦闘魔道を研究し、さらに魔道能力を高めようとして、倫理... -
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資格が無効になる日 (14)
キーラを地下施設に運び入れた人物は、ルークス王国の魔道士たちだった。 以前、精霊の里で戦った連中だ。かつて自分たちを負かした人物が仲間になる事実が受け入れがたく、また、災いを本格的におとなしくさせるためには、スキターリェツに匹敵する魔... -
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資格が無効になる日 (13)
喰われる。貪られる。消えていく。 かつてロジオンの記憶を通して、知っていた感触だ。だが、経験したくなかった。痛みはない、手足が実際に食まれているわけではない。けれど自分が削られていく感触だ。魔道能力が、自分から消えようとしている。留め... -
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資格が無効になる日 (12)
ゆらり、ゆらり。身体が揺れている。 力強い腕に抱えられ、運ばれていく感触があった。温かい鼓動が頬に触れていて、なぜだろう、すごく安心する。やがてやわらかいところにそっと落とされたとき、離れていく感触が名残惜しくて、思わず顔をしか...
