あなたのマリナーラ– category –
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あなたのマリナーラ
あなたのマリナーラ (07)
(7) はぎゅ、と、焼き立てマリナーラにかぶりつく。 熱いのだけど、火傷するようなへまはしない。それよりようやくたどり着けた味が、嬉しい。空腹を我慢してありつけた先が、この味であることがもっと嬉しい。しかもピッツェッタなどではなく、大き... -
あなたのマリナーラ
あなたのマリナーラ (06)
(6) 歩き始めて三時間が経過している。にもかかわらず、目的地にたどり着いていない。 ちなみに、わたしたちが住んでいる十六区と、いま、わたしが向かっている八区の間には、それなりの距離がある。でも普通に歩けば、もっと早い時間でたどり着ける... -
あなたのマリナーラ
あなたのマリナーラ (05)
(5) 「はぁい、朝ですわよー。起きてくださいな」 やわらかな声とともに、部屋に陽光が差し込んだ。枕を抱きしめていたわたしはまぶしさに眉を寄せる。「まだ眠い」、つぶやいて陽光を避ける。だって眠いのだ。昨日も有能極まりない市長にこき使われ... -
あなたのマリナーラ
あなたのマリナーラ (04)
(4) かぶりついたとたん、うわ、とわたしは硬直してしまった。 だって、おいしい。いままでに食べたマリナーラでは間違いなくいちばんだ。 もちもちっとしていながら香ばしさもある生地に、酸味を残しながらしっかり旨味をかもしだしているトマト... -
あなたのマリナーラ
あなたのマリナーラ (03)
(3) なぜ救出が手間取ったのか、と云う理由には、どうやら政治的な事情がからむらしい。 またか、と考えながら、ほどいてもらった両手首を撫でた。紫色のあざになっていたけれど、治療魔道を得意とする妹が癒してくれるだろう。心置きなく男どもへの... -
あなたのマリナーラ
あなたのマリナーラ (02)
(2) 港湾都市マーネ。 アダマンテーウス大陸の南にある中立都市が、わたしたち三姉妹の仕事場だ。魔道的な守護をほどこし、マーネの平穏を守るのが、わたしたちの仕事。最初はただ、結界を張ればいいと考えていたのだけど、市長のベルナルド氏は、... -
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あなたのマリナーラ (01)
(1) 妹たちと違って、わたしは食べ物にはこだわらない主義。 もちろん美味しければうれしいと感じる。滅多にないけど、まずければ哀しいと感じる。 でも味付けで、食事の摂取量が変わったりしない。美味しいから食べ過ぎちゃう、まずいからもう残...
