宝箱集配人は忙しい。– category –
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宝箱集配人は忙しい。
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06 『おぬしも懲りない男だなあ』 呆れを隠さない言葉が、僕の脳内で響く。同時に、るるる、という音が耳に届く。 激しく呼吸を繰り返している僕は、ぐったり床に横たわっている。部下たちには見せられない情けない姿だが、そんな僕を見ているのはたっ... -
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05 秘書どのの妹、つまりこの国の王女さまはなんと、勇者に一目惚れをしたのだという。 王女さまは、勇者こそ自分が待ち望んでいた運命の相手だと公言し、公務の合間に勇者を追いかけているらしい。勇者一行に加わった女神官に牽制することもあるとか... -
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04 「勇者、か」 部下たちに指示を出して、僕は紅茶を飲みながら呟いた。 部下たちはすでに動いているから、いま、この部屋にいる人間は、僕と秘書どのの二人だけだ。僕達も次の仕事に取り掛からなければならないんだけど、全員に指示を出していたら喉... -
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03 さて、ここで僕達の仕事について説明しよう。 僕達の仕事は、部署名が示す通り、迷宮から発掘される宝箱を管理することだ。冒険者ギルド内外の、ほとんどの人が、そう認識している。 どうやら古代から存在するらしい迷宮の、現代では失われた技術... -
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02 昼食を終えて職場に帰ると、そこはすでに戦場だった。 僕が入ってきた事実にも気づかないほど、部下たちはあわてふためいている。しっかり規定通りに昼休憩をとってくださいね、と麗しの秘書どのに言い付けられていたから、僕はコルドン・ブルーを... -
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01 この国には「迷宮」と呼ばれるダンジョンがある。 いつから存在しているのか、そう問われればこの国の誰もが「この国ができる前からさ!」と答えるだろう。けれどそんなに古くから存在するくせに、迷宮は長い間、立ち入りを禁止されていた。 なぜ... -
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序 朝食を軽めにしてしまうから、昼食こそがっつり食べたいと思うのだ。 だから今日の日替わり定食を見た時、僕は思わずガッツポーズを決めていた。鶏胸肉を切り開いた中にハムとチーズを詰め込んだ、チキン・コルドン・ブルー。 まさに僕の希望をも...
