国盗物語– category –
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国盗物語
誰にでも事実を知る資格はあるのです。 (4)
禁書室と云っても、書物が並んでいるわけではない。むしろ報告書を束ねた形の冊子が多く並んでいた。親切に背表紙があるわけではないから、手当り次第に本を取り上げて中身を確認していく。精霊と云う単語が掲載されていたら、内容を読み込む。効率の悪... -
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誰にでも事実を知る資格はあるのです。 (3)
ルークス王国はアダマンテーウス大陸において、もっとも古い王国だ。 統一帝国時代の名残を最も多く残している国とも云われていて、あちこちに当時の遺跡が存在している。また、首都にある図書館は大陸でも有数の蔵書数を誇る。世界で初めて活版印刷を... -
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誰にでも事実を知る資格はあるのです。 (2)
「あー……、確かにダメダメだ。美味しくない」 キーラが淹れた紅茶をひと口飲んで、スキターリェツは率直にのたまった。 とどめを刺された形になって、キーラはがくりと肩を落とす。でもけなされてこそ、人は育つものだし! 云い聞かせて、気分を盛り... -
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誰にでも事実を知る資格はあるのです。 (1)
さしだしたティーカップを、ローザがとりあげてかたむける。 こくりと紅茶を飲み込むさまを、キーラはどきどきと緊張しながら見つめた。淹れた紅茶を飲んでもらう。これまでにも経験してきたはずなのに、そのときとは比べ物にならないくらい、心臓が鼓... -
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間章(10)
それからアウィス便による協議を重ねて、アレクセイたちはこのままルークス王国に向かう方向に定めた。隣国パストゥスや国境は副団長ヘルムートが率いる部隊が探る。当初の予定通りになった理由は、女魔道士の件をかえりみて、こちらの動向を探られてい... -
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間章(9)
こつこつ、と丸窓をたたく音がした。視線を向ければ、アウィスが羽ばたいている。セルゲイが素早く駆け寄り、丸窓を開けて中に招き入れた。空色の鳥はゆっくりと旋回し、アーヴィングが差し出したこぶしの上にとまった。餌の入った箱を取り出しながら、... -
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間章(8)
それからしばらく、あいまいな時間を過ごすことになる。 やはりというべきか、チーグルをはじめとする団員たちはキーラを味方に取り込もうと主張した。事情を話しさえすれば、彼女はきっとわかってくれると云うのだ。だが、同意できないアレクセイは、... -
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間章(7)
だがやさしい友人の思惑通りに、物事は運ばない。 恐怖を浮かべた濃藍色の瞳を見て、だめだな、とアレクセイは感じた。 キーラは確かに紫衣の魔道士だ。だから事象に敏くて、彼の正体にも気づいた。だが同時に、普通の少女としての一面もあるから、... -
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間章(6)
王子アレクセイから受けた依頼は、自らに擬態し故国を解放せよ、だ。 だがもうひとつ、頼まれたことがある。紋章だ。王子アレクセイが国を出たときから肌身離さず持ち続けていたルークス王国の紋章をやつらの手から護ってくれ、と云われた。 なぜ、...
