国盗物語– category –
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国盗物語
認められる条件として資格は有効でした。 (11)
次の満月の夜に、と、女は告げた。承諾を与える間もなく女は消えたが、こちらとしても異論はない。 だが、律儀に従うのは問題である。相手は敵なのだ。それも手段を選ぶことなく襲撃を繰り返してきた敵である。指定された場所に、罠を仕掛けている可能... -
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認められる条件として資格は有効でした。 (10)
「はい、あーん」 麦粥をふうふう冷まして、魔道士の口元に運んだ。群青色の瞳が、面白がるように笑んだ。何か云うかと思えば、おとなしく口を開く。もぐもぐと頬が動き、喉仏が上下する。麦粥を呑みこんだ魔道士は、キーラをからかうように見つめた。 ... -
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認められる条件として資格は有効でした。 (9)
しめあげた魔道士は、襟元をつかまれたまま気絶してしまった。 軟弱な、と舌打ちしかけたが、そもそもこの魔道士は数日にわたって絶食を強いられていたのだ。ケロッと忘れていた自分に、さすがに羞恥を覚えながらアレクセイを振り返る。 微妙な表情を... -
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認められる条件として資格は有効でした。 (8)
『やれやれ。警戒心の強いこと』 甘やかに響く声は、それまでの声とまるで違う。これは女の声だ。キリルが顔をしかめ、背後でカジミールが「きもっ」と叫んだ。まあ、ひげもじゃ男の口から、甘やかな女性の声は聞きたくなかったかもしれない。キーラは混... -
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認められる条件として資格は有効でした。 (7)
すぐそばで見上げると、帆船の迫力はなかなかのものだ。 マーネの港からコーリャの船に乗り込むときにも同じ感想を抱いたが、今はそれ以上の圧迫感を覚える。たぶん、緊張しているからだろう。ゆらゆら揺れる小舟で、キーラは深く呼吸を繰り返していた... -
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認められる条件として資格は有効でした。 (6)
ぴかぴかにみがいた甲板は、あっという間に人で埋まってしまった。 仕方ないことだとわかっているが、みがいたばかりなのだ。思わずキーラは皆の足元を見つめ、「きれいにしてから歩いてええぇっ」と叫びそうになった。理不尽な衝動だとわかっている。... -
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認められる条件として資格は有効でした。 (5)
「てええええいっ」 気合を入れて、キーラは甲板をこする。手に持っている実の下で、じょりじょりと砂が音を立てる。木材の甲板が削れていくのだ。まだ朝も早い時間だから、空気はまだひんやりしている。甲板磨きでほてってきた頬に、冷たい空気は気持ち... -
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認められる条件として資格は有効でした。 (4)
(た、食べ過ぎたわ……) 口元を抑えながら、キーラはぐったり、寝台に横たわっていた。さすさすと逆の手でお腹を撫でているが、そんな行為で満腹感が変わるわけがない。ひたすら待ちの態勢で、圧迫感が消えるよう、深呼吸を繰り返す。しょせん気休めだと... -
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認められる条件として資格は有効でした。 (3)
とん、とホカホカと湯気が立つ料理皿が置かれた。キーラは目を見開いた。船の食事とは思えないほど、豪勢な料理である。とんとんとん、と次々と料理皿を並べて、その男は笑った。四角い顔にあごひげを生やした厳つい容貌の男だが、アップリケの付いたエプ...
