国盗物語– category –
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国盗物語
認められる条件として資格は有効でした。 (2)
キーラが乗船している船は、傭兵集団『灰虎』の生活の場だ。 かつて某国からコーリャが、戦勲として与えられたらしい。剛毅な話だ、とキーラは感心した。マーネの港は商船がたくさん出入りしていたが、個人所有の船は見たことがない。 だからさまざ... -
国盗物語
認められる条件として資格は有効でした。 (1)
これが夢ならいいのに、と、キーラは考えた。 どこまでも澄んだ青空が頭上に広がり、潮の薫りをたっぷり含んだ風が、キーラの褐色の髪を撫でていく。乗り込んだ船は、最新型の快速船だ。ぴかぴかに磨かれた甲板に立ち、いつも見上げていた灯台や、見慣... -
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資格が職探しに役立ちますか? (9)
ひと口、飲み込んだ紅茶は、信じられないほど豊かな薫りを放っていた。 貴重な氷と共に透明なグラスに入っている、冷たい水出し紅茶なのだ。水出し紅茶というものは初めて飲む。薫りは温かな紅茶より格段に劣るはず。これまでそう考えていたキーラは、... -
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資格が職探しに役立ちますか? (8)
あわただしく馬を降りて、キーラは探索隊が示す場所に向かう。 アレクセイもセルゲイも、とうに先に行ってしまっている。薄情者、とぼやきたい気分だ。馬に不慣れなレィディにもう少し気を遣ってくれてもいいんじゃないの。 とはいえ、状況は理解でき... -
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資格が職探しに役立ちますか? (7)
ぽわぽわした光が、キーラの歩む先に浮かんでいる。 まるで意思があるかのような動きを見せているが、決してそんなことはない。これはキーラの魔道によって出現した光だ。姿を消した魔道士を追跡するため、他の誰にもわかりやすい形で出現させた。キー... -
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資格が職探しに役立ちますか? (6)
(さて、どうしよう?) キーラは沈黙したまま、考え込み始めた。無意味に服を払って、間を作ってみる。 だがそんな短い時間で考えがまとまるはずはない。ちらりとアレクセイをうかがった。見事に視線が合う。セルゲイに話しかけられながらも、王子さま... -
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資格が職探しに役立ちますか? (5)
しゅ、と、空を切り裂く音が響いた、気がした。 きん、と小さく張りつめた音が続く。傭兵のふりあげた剣がはじかれる。黒い影が、キーラと傭兵の間に滑り込んだ。広い背中が前に立つ。はっはっと荒い呼吸が口から洩れる。どくどくと鼓動が脈打っている。... -
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資格が職探しに役立ちますか? (4)
なおも言葉を返そうとして、キーラは『気づいた』。 口を閉じて、腹底に力を集める。アレクセイから視線を外し、あちこちに視線を飛ばす。 誰かが、自分たちを見ている。それもひどく嫌な感触だ。だが、その姿が見つからない。 眉をひそめたところ、い... -
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資格が職探しに役立ちますか? (3)
「あたしは飲食店で働きたいの。魔道士としての仕事なんか、していられないのよ」「……あなた、紫衣の魔道士ですよね?」 困惑したように疑問を発した気持ちは、不本意ではあるが、キーラにも理解できる。 しかし声を大にして主張したい。確かにキーラは...
