国盗物語– category –
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国盗物語
資格は活用してこそ (9)
あふ、とこぼれたあくびを右手で押さえ込んだ。これで五回目である。無理もないよね、とキーラはひとりごちた。基本的に、キーラは徹夜しない。疲労を溜め込むばかりで、非生産的な行為だと考えているからだ。 だが、昨夜はしかたなかった。&nbs... -
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資格は活用してこそ (8)
「あまいねえ、次期ギルド長どのは」 クリスチーナの屋敷から魔道士ギルドに戻ると、ブラッドに捕まった。 好奇心がうずいて研究に集中できなかった、と、うるさく騒ぐものだから、しぶしぶ事の次第を説明した。魔道士には守秘義務がある... -
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資格は活用してこそ (7)
あのひととは図書館で出会いましたの、と、クリスチーナは語り出した。 淹れ直してもらった紅茶が気になったが、うつむきながら話す令嬢がもっと気がかりだったから、キーラはおとなしく静聴のかまえをとった。そうしながら改めて、クリスチーナを観察... -
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資格は活用してこそ (6)
「こちらで、お待ちくださいませ」 びしっと髪をひとつにまとめた侍女が案内してくれた先は、西向きの窓がある応接室だった。いまも陽光は入ってきているが、少しばかり薄暗い印象がある。一礼して退室していく侍女に会釈を返しながら、キーラは「... -
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資格は活用してこそ (5)
魔道士たちの死による、魔道士ギルドやアレクセイへの不信は、いまは落ち着いている。 おそらく新聞を用いた情報発信が効果を発揮したからだろう。いささかあざとい方法だったが、効果があるなら問題ない。そう考えていたのだが、この依頼は、キ... -
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資格は活用してこそ (4)
さて、アレクセイの即位を五日後に控えたいま、魔道士ギルドの支部長として行わなければならない仕事とは、即位の式典に添える、魔道的演出の打ち合わせと下準備である。 魔道士ギルドは、王となったアレクセイが広場に集まった民衆に披露される... -
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資格は活用してこそ (3)
なんだかねえ、と、王宮の廊下を歩きながらぼやいた人物はスキターリェツだ。 歩きながら隣を見ると、スキターリェツは自分の考えに沈んでいるらしく、キーラの視線に気づかない。とりあえず放っておこうと視線を前に戻せば、もう一度繰り返され... -
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資格は活用してこそ (2)
急遽、アレクセイの執務室に集まった顔ぶれは、これまでとは少々異なる顔ぶれだった。 まず、『灰虎』の関係者が呼ばれていない。アーヴィングやチーグルはともかく、ヘルムートは呼ぶのではないかと予想していただけに、キーラはちょっと驚いた... -
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資格は活用してこそ (1)
王宮を訪れる時刻は決まっている。ようやく太陽が昇り始める時刻だ。 王宮はもちろん、他者の屋敷を訪問するには、いささか非常識な時間である。だが、しかたがない。なぜなら訊ねる部屋の主、現在のルークス王の起床時刻は早い。キーラはルーク...
