365のお題– category –
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365のお題
アイスクリーム
コンビニアイスって侮れないと思うのだ。 少しむかしだと、コンビニデザートは少々割高で味は微妙、という印象があったと思う。でもこのごろのコンビニデザート、特にコンビニアイスは侮れない。有名どころのアイスに味は引けを取らないし、お値段もお手頃... -
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NO
---------------約束など、覚えていないのでしょう。 「息災か」「陛下こそ」 たったそれだけだ。夫たる国王と交わした言葉は。なんてそっけない。自分でもそう感じているし、夫もそう感じているとわかっている。 けれども他に言葉など見当たらない。見つ... -
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YES
-------------約束を、覚えているか。 この時代、王の仕事とは存外つまらないものだ。議会によって決議された書類に、王の名前で印を押す。そんなものだ。 はるかな昔、それこそ英雄譚に登場する時代であれば、能動的な仕事は多かっただろう。けれどもいく... -
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ジャンプ!
我々はなぜ、空を飛ぶのだろう――――。 強い風が吹き抜ける絶壁で、俺はアンニュイにつぶやいてみた。 はるか上空、さわやかに澄み切った青空では 仲間たちが自由に飛び回っている。ぎゃうぎゃう、と騒いでいる声がここまで届いてくるんだ。ああ、楽しそう... -
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イエー!
「あたしと付き合ってくださいっ!」「断る」 すらりとした長身が前を歩いていた。先輩だ! 気づくと同時にダッシュをかけていた。 先輩は気配に敏い。声をかけるより先に振り返った。深いチョコレート色の瞳にあたしが映った次の瞬間、いつものように大... -
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自慢のコレクション
ひさしぶりなんだ。時間がようやく空いたから、長く訪れなかった場所に足を向けると、≪彼≫は挨拶もそこそこに語り始めた。こちらの困惑など、まったく気にもしない。 一方的にべらべらと話している≪彼≫を眺めて、懐かしい反応だなあと感じた僕は、さらに記... -
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泣いて泣いて泣いて
すん、と鼻をすすった。なんだかすっきりした気持ちがある。こんなに泣いたの、どのくらいだろう、と考えながら、ピー、と云う電子音を聞いた。あ、炊けたんだ。セットしておいた炊飯器を開けば、ほわほわ、と蒸気とお米の匂いが立ちのぼる。ん、いい匂い... -
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気配
ことこと、と鍋がやさしい音で揺れている。ふわりと漂うスパイシーな香りに、私は満足に微笑んだ。今日はあちらの世界の具材を使った煮込み料理を作っている。≪彼≫はこちらの世界の料理も好んでいるけれど、やはりいちばんはあちらの世界の具材だ。舌が馴... -
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上を向いて
こういうとき、あの子は絶対に人前に出たがらない。確信している彼は、だれもついてこないようにと云い聞かせて、家を出た。森の奥に向かう道を歩いて、さて何年ぶりの探索だろう、と記憶を探る。 そう、もう四~五年になるのか。 幼いあの子はその育ちの...