NOVEL– category –
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宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
21 どちらかといえば、僕は過集中するタイプだ。 特に興味が強い分野に携わると、時間を忘れるほど没頭する人間だから、この職務についてから、意識して集中しないようにしている。だからこのときも、集中しすぎないように、全体を眺めながら行動して... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
20 戦闘を繰り返しながら、奥に進む。今回、解析を進めている三十一層は比較的素直なダンジョンだと感じた。ひねくれたギミックがない。隠し部屋は存在していたけれど、すぐに理解できるギミックだったから、この階層の解析はすぐに終わるんじゃないだろ... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
19 「これまでと趣が違いますね」 部下の一人がそう言うと、皆がうなずいた。 僕は壁に近寄って軽くノックしてみた。コンコンと響く音は軽やかなもので、間違いなく木造だと感じさせる。状態もいい。東の国には千年以上現存している木造建築物があると... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
18 とにかく報告は済ませた。だったら後は解析を進めるだけだ。 今回の解析は、ほぼ一年ぶりだから、より慎重に準備を進める。万が一の出来事が発生しないように、たとえ発生したとしても対処できるように打ち合わせを重ねる。 結果、僕や秘書どのの... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
17 ギルド長室を退室して、再び内庭に向かう。 今度こそ、ギルド長が一人だったから近づいた。屈み込んで雑草をむしっていたギルド長は、「ギルド長」と呼びかけると、日焼け止め帽子の下から、僕を見上げてきた。 なんとなく落ち着かないから、僕も... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
16 さて、迷宮の解析を開始するならば、上の人間に報告しなければならない。 ギルド長と副ギルド長だ。 僕たち<宝箱管理室>は裁量を認められている。けれど報告、連絡、相談は大切だ。攻略を始めるなら、通常業務を最低人数で回すことになる。フォ... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
15 駆けつけてきた自警団に、事情を話して襲撃者たちを引き渡した。 その時の自警団たちの様子から察するに、襲撃者たちにはどうやら余罪があるらしい。しっかり追求しておきますから! という言葉を信じて、僕たちはその場を去った。 しばらく無言... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
14 「終わったぞ」 そう声をかけられて、僕は顔を上げた。 言葉通りに、襲撃者たちは累々と倒れている。その中で貴公子は息も乱さないまま立っていた。僕は苦笑して「おつかれさまです」と言って、倒れている面々を見た。思ったより若い。最後まで武器... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
13 酒場から出ると、肌寒いと感じていた風が、ちょうどよかった。 「夜風が気持ちいいな」 まさに思ったことを貴公子が言ったものだから、僕はなんとなくおかしくなった。軽く笑って貴公子を見上げたところ、静かな眼差しに違和感を覚えた。遅れて僕も...
