NOVEL– category –
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365のお題
欠片
「そう。例えるならば、これは欠片だ」 魔法使いがそう言いながら、くるりと水晶に見えるものを指先で回した。水晶に似た何かは、けれども中心に微かな炎を宿している。 「欠片?」「そう。はるかなる太古、本当の魔道使いたちが使用していた魔道具のかけ... -
365のお題
NO TITLE
(--------------あ) 入社式の時、同期の中に懐かしい人を見つけた。高校時代に付き合っていた彼だ。大学は別の大学に通ったから、まさかここで同じ会社になるとは思わなかった。 何年ぶりに会うんだろ。高校時代の雰囲気はそのままに、でもどこか精悍に... -
365のお題
私の名前
お試しで付き合ってくれませんか、好きになってくれるまでなんて言いませんから。 彼との始まりは、そんな言葉で始まった。我ながらバカだなあって思う。なんでそんな言葉を告白の言葉に選んだ、って自分でも思った。 でも正直なところ、他の言葉が思い浮... -
365のお題
楽しかったよ!!!
お試しで付き合ってくれませんか、好きになってくれるまでなんて言いませんから。 今の彼女と付き合い始めたきっかけは彼女からのそんな言葉からだった、というと、大抵の友人が引いた。 「ないわー。そんなことまで言わせる男って、ないわー」「つか、何... -
365のお題
シングルライフ
朝六時に起床。身支度を整え、六時半に朝食。家事をこなしてから八時より在宅にて仕事開始。途中休憩を挟みながら、十二時に仕事中断。家事ロボットが用意してくれた昼食を食べる。午後。仕事と称して雑事。読書とか色々。十八時。夕食を終えて、あとは何... -
365のお題
納得いかない
納得行かぬ。 吾輩がこの家にやってきて、はや七年。あるじどのに認められ、一家の用心棒として毎日を過ごしているのでござる。 決して、決して。吾輩の役目は、うら若き娘の面倒を見ることではないのである……! 「あ、ほら。見てよお父さん。若がミケに懐... -
365のお題
息も絶え絶え
「こぉんの、ちびすけ----------!」 思わず叫んでしまった理由は、これから着替えようしてたワンピースに粗相されてしまったからだ。犯人は、数日前に我が家にやってきた柴犬の子供。名前はまだない。 怒ろうと思ったけれど、家を出なくちゃいけない時間... -
365のお題
薔薇色
薔薇色の頬、という表現が小説を読んでいると、しばしば登場する。 いかにも健康そうな、愛される女の子にふさわしい表現だと感じた。そして思い出したのは、同じクラスにいるあの子だ。クラスの中心人物というわけじゃない。でも普通に清潔で、普通に気遣... -
365のお題
キラキラヒカル
夏が終わりに近づくと、わずかなモラトリアム期間が終了に近づいているなあと思うわけだ。すなわち、夏休みの終了である。 「だーるー」 たまたま友達との時間が合わなくて、それでも残り少ない自由時間を勿体無く感じて街に出た。 一人で喫茶店に入るなん...
