NOVEL– category –
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国盗物語
権利を主張できる資格は、とうにない。 (7)
バオをなんとか大人しくさせて、扉をおおう結界を解かなければならない。それもいま、暗闇のなかで行われているだろう、式典が終わるまでにだ。多少手荒な手も使ってでも、と考えれば、ロジオンは鋭く云い放った。 「アレクセイ殿下は元凶である魔道士た... -
国盗物語
権利を主張できる資格は、とうにない。 (6)
構成された魔道が拡散されていく。一瞬だけの浮遊感覚が抜け切れない瞬間だった。 「、キーラっ!」 メグからの警告に、先に身体が動いていた。大気の力を集め、こちらにやってくる魔道へとぶつける。音もなく、だが、衝撃は残して、魔道... -
国盗物語
権利を主張できる資格は、とうにない。 (5)
(ロズリーヌ王女、ありがとうございます) 心の底から、しみじみと頭が下がる。メグを連れていくために、どういう言葉で説得しようかと躊躇した次の瞬間、怒濤の論理展開でマリアンヌ王女を説得してくれたのだ。柔らかな物腰の王女さまだと甘く見... -
国盗物語
権利を主張できる資格は、とうにない。 (4)
「魔道士ギルドのルークス支部長に、マーネの守護者たちか」 低く艶めいた男の声が、執務室に響いた。初めて聞く声だ、と気づいたキーラが視線を向けると、長い金茶色の髪をひとつにまとめた男が腕を組んでこちらを眺めていた。 威風堂々... -
国盗物語
権利を主張できる資格は、とうにない。 (3)
(天空要塞に乗り込め、か) 王宮に到着した馬車から降りながら、キーラは身体をねじって天空を振り仰いだ。 ハナビが展開されている暗闇に遮られて、本来あるべき青空、浮かんでいるだろう天空要塞はまるで見えない。だから天空要塞が浮か... -
国盗物語
権利を主張できる資格は、とうにない。 (2)
緊急事態だと悟られないためか、馬車は落ち着いた速度で走り続けている。そっと窓から外を眺めれば、街のひとびとの表情が明るくなっていると確認できた。けれど、これからの対応によっては、たちまち曇るかもしれない。あるいは恐怖にひきつるかもしれ... -
国盗物語
権利を主張できる資格は、とうにない。 (1)
とはいえ、くわしい事情も知らされないまま、唐突にあたりが真っ暗になったとき、平静でいられる人間は多くない。すでに目覚めていた民はざわめいて、混乱し、なかには叫び、怒号をあげる者もいた。予想してしかるべき、当たり前の反応だった。 「... -
国盗物語
資格は活用してこそ (17)
ワザワイヲホロボシタワレワレニ、テッツイヲクダスタメニ――――。 (なに、それ) ロジオンが告げた言葉は、まるで異世界の言葉のように響いた。理解できない言語のような言葉は、でも遅れて意味を理解できた。災いを滅ぼした我々に、鉄槌... -
国盗物語
資格は活用してこそ (16)
その朝の目覚めは、いつもとは違う感触で迎えていた。 がらんがらんと鳴り響く大鐘よりもずっと早くに起床したキーラは、冷たい空気に震えながらも、うん、とベッドの上で背伸びをした。それからさらに身体を伸ばして、すぐ近くにある窓にかけた...
