NOVEL– category –
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国盗物語
反撃するための資格 (10)
王都に戻ってくれば、シンブンはいっせいに、魔道士たちの変死を取り上げていた。裏切りを防ぐ指輪など、シンブンを書く者達は知らない。だから一夜にして、ルークス王国すべての魔道士たちが心臓発作を起こして変死した、とだけ書いていた。遺体を検分... -
国盗物語
反撃するための資格 (9)
「わしには納得できぬところがある」 ギルド長が告げた言葉に、重くなった気持ちを切り替えて、キーラは応えた。 「マティがウムブラ出身であるにもかかわらず、魔道ギルドに登録されていない件ね?」 「うむ。ありえぬじゃろ?」 ... -
国盗物語
反撃するための資格 (8)
「いったい、彼は何者なんです。たしかに一度、わたしが切り捨てたはずですが、生き返っていますよね、彼」 あっさりと、常識的ではない物云いをしたのはアレクセイだ。マティと云う名前がだれを示しているか、知っているらしい事実に視線を向ける... -
国盗物語
反撃するための資格 (7)
扉を開ければ、ざわめきはいっそう、はっきりと届いてくる。レジーナが走り出す。キーラも追いかけた。途中、すれ違う人がいたら捕まえようと考えていたが、見つからず、結局、キーラは先に向かった場所まで駆けていった。すなわち、地下牢だ。レジーナ... -
国盗物語
反撃するための資格 (6)
(あたしに出来ることはなにかしら) 案内された部屋で身体を休ませながら、キーラが想うことと云ったらそんなことだ。 そもそも深夜を狙って城に忍び込んだため、与えられた休息の時間は短い。だが眠ろうとしても、名前を捨てた青年の様子が気... -
国盗物語
反撃するための資格 (5)
地下牢から出たところで、違和感を覚えて振り返る。ギルド長もスキターリェツも出てこない。なにをしてるんだろな、と考えている間、アレクセイは侍女を呼び止めたらしい。「キーラ」、呼ばれて振り返ると、キーラと同じ格好をした侍女が慎ましく控えて... -
国盗物語
反撃するための資格 (4)
驚きにざわめいた魔道士たちに向かって、沈黙していたギルド長が進み出る。 「むろん、アレクセイ王子に協力すると云うなら、おぬしらの魔道は封じさせてもらうぞ。魔道研究ではなく、政治研究にいそしみたいと云うのであれば、魔道能力は必要ある... -
国盗物語
反撃するための資格 (3)
窮屈そうだな、とは、魔道士たちを眺めていちばんに感じたことだ。 なにせ、他にも収監できる部屋はあると云うのに、ひとつの部屋に押し込められていたからだ。足音を聞きつけていたのか、格子越しに振り返った魔道士は、総勢、八名。女性が二名、男性... -
国盗物語
反撃するための資格 (2)
各国の事情を考えてみたら、工作員がいるのは当たり前である。 ルークス王国は他国が持て余していたモルスを受け入れた国だ。そんな国の政治が不安定になれば、後ろ暗い事情を抱えた国々は不安になる。だからルークス王国の政権を握った魔道士たちを見...
