NOVEL– category –
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茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第二章
(3) まもなくふすまが開いて、ましろさまが現れた。 今日も羽織姿で、なぜか菜の花の束を抱えてきている。ゆるりと微笑んだ。 「待たせてすまぬ。菜の花が盛りだったからな、持ってきた。今日はこの花を飾ろう」 乃梨子はさわやかな黄色に惹かれて... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第二章
(2) 「うん、そうだよ。学園長が茶道部の顧問なの」 ようやく待ちに待った、茶道部部活動の時間だ。 結衣と一緒に和室に移動したところ、まだ、だれもいなかった。だから職員室から鍵を借りて、和室の鍵を開けて二人になったところで、乃梨子は疑問... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第二章
(1) 新しい学校での新しい生活は、まあまあ楽しい。 普通の授業が始まって、心配だった授業にはなんとかついていける。体育は相変わらず苦手だけど、大好きな歴史の授業は面白い先生だったから、余計に嬉しかった。 「ようやくお昼だ。お腹空いたよ... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第一章
(6) 「茶道部に入った?」 乃梨子が帰宅してからまもなく、母親も帰宅してきて夕食の支度を始めた。 なんとなく気分がソワソワしていたから、その隣に立って手伝う。野菜を洗い始めた乃梨子に「あら、ありがと」と言いながら驚いた様子の母親に、茶... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第一章
(5) せわしなく動く部員たちが、茶席の用意をしている。 乃梨子はどうしたものか、戸惑う。学内の食堂で昼食も終えたいまでは、さすがに帰宅しようとは思わない。だがこのままぼーっと過ごすのは、気がとがめる。気づいた結衣が手招きしてくれた。... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第一章
(4) 「三年C組、部長の岸本若菜です」「三年B組、高橋翔太です」「三年A組、高橋隼人です」 初めて会う三人は、次々と名乗りをあげて「ようこそ茶道部へっ」と言った。声が見事にそろっている。その勢いに押されて、乃梨子も「中村乃梨子です」と名乗... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第一章
(3) 「そっか、同じ電車で帰れるんだね」 教室を出て昇降口に向かいながら、自然な流れでお互いの最寄駅を打ち明けた。 嬉しそうに笑う結衣に対し、乃梨子はちょっとばかり気まずい。なぜなら今朝、結衣と同じ電車に乗っていた事実を打ち明けそびれ... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第一章
(2) 「中村乃梨子さんね? 担任になる渡辺薫です。よろしく」 学校に着き、あらかじめ案内された通りに職員室に向かえば、セミロングの女教師が乃梨子を待っていた。スラリと背が高く、白いシャツにベージュのスーツを合わせている。きれいなひとだ... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第一章
(1) (やだ、最悪) 朝起きて、二階の自室から洗面所に降りてきた乃梨子は、鏡を見て前髪が寝癖ではねていることに気づいてしまった。きっちり眉毛で切り揃えてるから、余計に寝癖が目立つ。あわてて水で濡らし、ヘアアイロンを使ってみた。それでも...
