NOVEL– category –
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国盗物語
資格は活用してこそ (6)
「こちらで、お待ちくださいませ」 びしっと髪をひとつにまとめた侍女が案内してくれた先は、西向きの窓がある応接室だった。いまも陽光は入ってきているが、少しばかり薄暗い印象がある。一礼して退室していく侍女に会釈を返しながら、キーラは「... -
国盗物語
資格は活用してこそ (5)
魔道士たちの死による、魔道士ギルドやアレクセイへの不信は、いまは落ち着いている。 おそらく新聞を用いた情報発信が効果を発揮したからだろう。いささかあざとい方法だったが、効果があるなら問題ない。そう考えていたのだが、この依頼は、キ... -
国盗物語
資格は活用してこそ (4)
さて、アレクセイの即位を五日後に控えたいま、魔道士ギルドの支部長として行わなければならない仕事とは、即位の式典に添える、魔道的演出の打ち合わせと下準備である。 魔道士ギルドは、王となったアレクセイが広場に集まった民衆に披露される... -
読み切り短編小説
吾輩は主人である。
吾輩は主人である。名前など訊くな、無礼であろう。 だがどうしても知りたいと云うなら応えてやらないわけでもない。ただし、無償で吾輩の名を得ようとは考えておるまいな?真に望むならば、貢物をするがよい。 そうだな。吾輩の下僕が時折持ってくる『猫... -
国盗物語
資格は活用してこそ (3)
なんだかねえ、と、王宮の廊下を歩きながらぼやいた人物はスキターリェツだ。 歩きながら隣を見ると、スキターリェツは自分の考えに沈んでいるらしく、キーラの視線に気づかない。とりあえず放っておこうと視線を前に戻せば、もう一度繰り返され... -
国盗物語
資格は活用してこそ (2)
急遽、アレクセイの執務室に集まった顔ぶれは、これまでとは少々異なる顔ぶれだった。 まず、『灰虎』の関係者が呼ばれていない。アーヴィングやチーグルはともかく、ヘルムートは呼ぶのではないかと予想していただけに、キーラはちょっと驚いた... -
国盗物語
資格は活用してこそ (1)
王宮を訪れる時刻は決まっている。ようやく太陽が昇り始める時刻だ。 王宮はもちろん、他者の屋敷を訪問するには、いささか非常識な時間である。だが、しかたがない。なぜなら訊ねる部屋の主、現在のルークス王の起床時刻は早い。キーラはルーク... -
国盗物語
小話・支部長命令です!
あの、キーラ・エーリンが魔道能力を取り戻した、と云う知らせを受けたとき、耳を疑ったもんだ。知らせてくれたやつ、ロジオンは簡単に嘘を云うやつじゃない。だが、魔道能力は簡単に取り戻せるものなのか、と云う疑問は持ってあたりまえだろ。そもそも... -
国盗物語
間章(13)
「お訊きしてもよろしいでしょうか」 沈黙して考え込んでいた侍従長は、アレクセイをまっすぐ見つめながら口を開いた。 「いま、この事実を確認された意味は? なにをお考えですか」 企みもなにも感じさせない、まっすぐな問いかけ...
