NOVEL– category –
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国盗物語
間章(12)
憔悴したロジオンをヘルムートが引きずっていく様を見送り、アレクセイは留守を任せた文官が残した書類を眺めた。必要最低限の書類しか処理していない事実、判断の理由をぎっしりと細かく用紙に書いており、律儀な性格がうかがえる。 苦笑しなが... -
国盗物語
間章(11)
「王子さま」 魔道士ギルドの様子を確認したあと、アレクセイはキーラを連れて、サルワーティオーを歩き回った。ひとが集まる市場、気取らない食事処、憩いの場となっている建造物。街の雰囲気をつかむため、ルークス王国民の生活ぶりを知るため、... -
国盗物語
間章(10)
「魔道士ギルドには、魔道技術や研究成果を、戦闘ではなく生活に役立てようという目的があるんだもの。ルークス支部がそういう形で依頼を引き受けてもいいでしょう?」 「別に、だれも悪いとは云うておらぬが」 キーラがさらに言葉を継げば、... -
国盗物語
間章(9)
ほかほかと手に抱えた荷物から、なんとも美味しそうな匂いが漂っている。 魔道士ギルドに向かうなら、と云ったキーラが購入した荷物は、魔道士ギルドに残っているレフへの差し入れだと云う。すでに朝食を食べ終えた時間ではないかと指摘すれば、... -
国盗物語
間章(8)
その街をはかる尺度として、公園はそれなりに有効な存在である。 憩いの場として機能しているなら政策が充実している証明となるし、逆に、浮浪者が住み着いていたら救済政策が機能していない証明ともなる。くつろいでいる人物にも注意が必要だ。... -
国盗物語
間章(7)
実はあたしのおすすめはここでおしまいなのよ次に行きたいところはある? 朝食を終えた後、キーラは堂々と云ってのけた。 云われた瞬間、アレクセイは困惑したものの、じきに噴き出した。手回しよく休暇を差し出してきたものだから、今日... -
国盗物語
間章(6)
さらりと頬に触れて流れていく風は、いつのまにか、冷たさを伴うようになっていた。 王宮内でも季節の変化を感じ取れる。だがこうして、王宮を降りて街に入れば、その変化はより著しいと感じた。アレクセイは息を深く吸った。胸の深くまで、新鮮... -
国盗物語
間章(5)
「おはよう、王子さま」 それから数日を数えた朝の出来事である。 アレクセイがいつものように身支度を整えて食堂に向かえば、いつものような朝食の用意はされていなかった。女官長もおらず、代わりにアレクセイを待ちかまえていた人物は... -
国盗物語
間章(4)
(しかしこんな状況に付き合おうだなんて、物好きが過ぎる。キーラもスキターリェツも) まったく、と云うつぶやきは、表情には出さずに秘めたままだ。いま、あいまいな笑顔を浮かべているアレクセイを好しとした貴族――――いっそ、珍獣と云ってやり...
