NOVEL– category –
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国盗物語
間章(3)
深く懐に入りこまれた問いに、アレクセイは眉を寄せた。 最初に覚えた感情は反発だ。なぜ、おまえがそれを問いかける。この国を変えた責任を感じているというなら、なぜ、偽物王子でしかない自分に、このルークス王国を委ねるような態度でい続けている... -
国盗物語
間章(2)
イーゴリ陛下、順調に回復――――。 今月八日にアレクセイ殿下によって、魔道士たちによる監禁から解放されたイーゴリ陛下は、順調に回復されている。宮内庁によると、陛下はまだベッドから降りられない状態だが、粥や果物を中心に、食事を取られて... -
国盗物語
間章(1)
「そんなの、王子さまを優先させるに決まってるじゃないの」 あっけらかんと云い放たれた言葉に、さすがに驚かされた。聞き間違えたかととっさに考えたが、耳たぶを赤くしたキーラに気づいて間違いではないと悟る。じわじわとこみあげてくる感情は、誤魔... -
国盗物語
反撃するための資格 (15)
小さな笑声が部屋に響いている。こぽこぽと紅茶を茶器に注いでいたキーラは手を止めて、笑い続けているアレクセイを振り返った。率直に感じた意見をぶつける。 「王子さま。ここは笑うところじゃないと思うんだけど」 書類を決裁していた... -
国盗物語
反撃するための資格 (14)
「じいさま!」 キーラはとっさに呼びかけた。なにをしているのか、とまでは問いかけない。スキターリェツとの共闘できる目的がこうして消えた以上、警戒する態度はむしろ当たり前だ。だからギルド長の行動理由も納得できる。 それでも、でも、... -
読み切り短編小説
魔王さまの教育係
灯りを落とされた廊下に、ちいさな軋み音を立てて扉が開く。 そっと姿を現した長身の男は、深夜にもかかわらず、外出着をまとっている。きょろきょろとまわりを見渡し、素早く部屋から出て歩き出した。しばらく歩いて、辿り着いた先は中庭だ。夜露に濡れる... -
国盗物語
反撃するための資格 (13)
ぐぐぐ、と、縄が引っ張られる。災いがもがき、動き出そうとしている。ぐいん、と頭を動かし、視線を固定させた先には二人の魔道士たちがいる。ひやりと背筋が冷えたが、災いはさらに動いて二人の魔道士をやり過ごした。まるで、気づかなかったかのよう... -
国盗物語
反撃するための資格 (12)
ぴちょん、と、しずくが落ちる音が響く。じめじめとした空気がまるで肌にまとわりつくようだ。ゆらゆら揺らめく灯りを右手に掲げて、キーラは辺りを見回した。一度だけ、魔道士たちによって運び込まれたときには、この場所をゆっくり探索する余裕はなか... -
国盗物語
反撃するための資格 (11)
王都に戻るまでの道程でスキターリェツに教えられながら、それでも否定したかった事実を、アリアの死を、改めて伝えられる。アリアだけではない、キーラを攻撃してきた少年、カイもすでに殺されている。裏切りを防ぐ指輪を発動させたマティによって。&nb...
