NOVEL– category –
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廃園遊戯
魔法使い
夜が明けた。魔女と出会ってからのすべて、知ることのすべてを話し終えたアルセイドは、予想外に受け入れられたことに驚いた。世界が滅びにむかっている、などとは、常人には到底信じがたい話のはずだ。 ただ、シュナール老の傍らにいた女が告げた言葉によ... -
廃園遊戯
結界
一度閉じられた部屋は真っ暗闇で不安を誘う。 だがすぐに魔法使いは、灯りをともしたものだから、じっくりと中身を観察することが出来た。懐かしい形式の、ぴかぴかとした建物。これが500年以上昔の内装だとは誰も思うまい。 内側から外を眺めれば、するす... -
廃園遊戯
塔
辺りの住民はその塔のことを「天空の塔」と呼んでいるらしい。天空に届くほどの高さであるから、と云うのがその理由なのだが、魔女にはいささか安直な理由付けだと感じられる。 だからと云って、別の名前が思いつくかと云えば思いつくわけではない。あえて... -
廃園遊戯
傭兵
「こっちだぜ、疾風のアルセイド」「あの、その呼びかけ、やめていただけませんか」 先を歩く男に、赤面したアルセイドは懇願した。どうして、と大げさに目をみはる男は、にやにや笑いを浮かべたままだ。つまりアルセイドの困惑を充分理解しているというこ... -
廃園遊戯
凍った森
「エターナル。防護壁を俺のまわりに張り巡らせることが出来るか」「かしこまりまして」 ぶんとかすかな音が男のまわりを囲む。安心を確信して、足を進めた。街の外れの、さらに外に向かった。そこはもはや、魔法が及ばない場所だ。すなわち、空気もない場... -
廃園遊戯
手紙
――親愛なる、ミカド兄さま 皇帝となった乳兄妹からの手紙は、いつもそんな書き出しから始まっている。例外はただ一つ、ミカドを皇宮に呼び戻す時の命令書の時だけだ。あれ以前にも、あれ以降にも、届いた手紙はいつもそんな書き出しから始まっている。他で... -
廃園遊戯
一人旅
森に入り、寝場所になりそうな場所を見つける。ほど良い距離を保っている樹木を見つけ、その間にロープを張った。防水仕様の布をその間にかける。これで簡単なテントの出来上がりだ。やわらかな草が生えている場所を選んだから、荷物を枕にすればよい。 要... -
廃園遊戯
闘技会
二手に分かれよう、と提案したのはアルセイドだった。だがあっさりと了承されて、少々複雑な想いを持て余している。 セレネにかけられた魔法の期限は刻一刻と迫っている。すなわち死の世界となる刻限は迫っているということだ。ガイアとセレネをつなぐ橋の... -
廃園遊戯
真珠一粒
つまらない男だねえ、と云うのが、新たな総督へのお頭の人物評だった。ドゥマもまったく同意ではあったが、そんな発言を道端で行わないでほしいと心の底から願う。 なぜなら総督となった帝国の将軍はずいぶん度量がせまく、陰口までも取り締まっていると云...
