NOVEL– category –
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宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
39 厨房に続いている食品庫を見て、僕はチーズリゾットを食べたいと伝えた。 いや、濃厚なチーズリゾットは本当に、僕の胃袋に優しいのか、という疑問が出てきたのだけど、リゾットならチーズリゾットを食べたい気分になったのだ。どんと置かれたチー... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
38 「友人と言ってくれるのか、--まだ」 厨房に向かう足を止めて、貴公子がポツリと言う。 心細げな様子に、僕も引きずられるように足を止めて、苦笑を浮かべてしまった。 「少なくとも、あなたは僕を害そうとしたわけではありません」「うむ」「そ... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
37 貴公子の案内によると、僕たちがいる場所はやはり、魔王が住んでいる城だった。先日、旅立った勇者の目的地でもある。僕たちが出会った王都から距離がかなりあるはずなんだけど、貴公子は魔王だから転移魔法で移動していたらしい。転移魔法って便利な... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
36 「問題はないか」 やがて、ダークエルフの彼女を従えた貴公子が、僕の休む部屋にやってきた。 これまで会うときとまったく変わらない服装でやってきて、開口一番に告げた言葉がそんな言葉だったから、僕は苦笑してしまった。 「ええ、大丈夫です。... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
35 目を閉じたままでもわかる。僕はふわふわとしたやわらかなものに包まれていた。やわらかく温かく、心地いい。うっとりと唇がほどける。自らの、そんな動きで意識が戻る。 でも瞳は閉じたままだ。 なぜってとても心地よかったんだ。心の底からくつ... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
34 さて、どんな一日だったとしても、お腹は空く。 というわけだから、今日も今日とて、僕はいつもの酒場に向かったんだ。なにしろ盛りだくさんの一日だったにもかかわらず、お昼ごはんは携帯食で済ませてしまったからね。秘書どのと別れる頃には、空... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
33 「愚妹が迷惑をおかけしました」 秘書どのは公私をきっちり分けるタイプだ。だから本日の業務をすべて終わらせてから、そう言って頭を下げた。いま、この場には僕と秘書どの以外はいない。ただ、ほかのメンバーが退勤間際に見せた、心配そうな表情を... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
32 当たり前なんだけど、太陽の光はこんな場所にも差し込むんだなあ、と僕は考えた。 こんな場所、すなわち牢だ。どうしてそんな場所にいるかと言えば、王女さまの侍女が激高して、僕を捕らえさせたからである。 客として迎えた僕に対しての捕獲命令... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
31 正直に言ってしまってもいいだろうか。んなこと、知るもんか、と。 だって、そうだろう。確かに僕は勇者と会話をする。けれど、彼の事情に踏み入れるような会話を交わしたことはない。いつだって、迷宮探索に関わる内容だ。彼が好ましく感じている...
