宝箱集配人は忙しい。– category –
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宝箱集配人は忙しい。
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第69話 ルーメリアを頭にのせていると、人からの注目を集めていると実感してしまう。 なにせ、小さいといえど、ドラゴンだ。 残念ながら、ぬいぐるみだと誤解する人は少なくて、ほとんどの人がギョッとしたようにルーメリアを二度見する。そして多く... -
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第68話 僕は口を開いた。 手のひらが触れている感触が、儚くなっていく。 その遠くなっていく感触を捉えるように、抗うように、僕は必死で言葉を紡いだ。 「僕は言いましたよね。あなたのすべてを継承して、そうして、その先を行く、と。その様子を、... -
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第67話 ドラゴンの巨躯が、神殿の前庭に、ゆったりと身を横たえている。 双刀を収めて、僕はドラゴンに歩み寄る。紫色の瞳が僕を見て、微笑んだ。 『おぬしは……、本当に、わらわの期待を裏切らぬ』 胸の奥が熱くなる。その熱を抑え込むように、僕はそ... -
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第66話 ドラゴンは、これまで何度も、迷宮の最下層で向き合い続けてきた相手だ。 その攻撃の癖は、まだいまの段階では、正確に読むことができる。 翼を一度だけ震わせれば、高速の風刃がくる。爪を軽く地面にタップしたら、尾の横なぎがくる。首がわ... -
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第65話 神殿の地下にあった牢獄から出て、神殿の中を駆ける。 僕たちを咎める者はいない。皆、それどころではない様子で、バタバタと忙しく動き回っている。僕が見たところ、一般人はいない。そもそも神殿は、信仰の場だから、街の中央から離れた場所... -
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64 僕の名前を呼ぶ声がした。 知っている声のようでいて、知らない声だったようにも思える。もしかしたら、もう、忘れてしまった両親の声かもしれない。遠く近く、僕を呼ぶ声は、僕の意識を叩いた。 「室長!」 ハッと目を開けたとき、すぐ近くに、... -
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63 僕は平凡な人間だ。 観察力も、思考力も、発想力も、平凡の範疇に留まっている。その僕が気づいた事実に、この場にいる、僕よりもずっと優秀な人間が気づかないはずがない。それぞれの得物を構えていた勇者たち一行は、一様に動揺して、それぞれの... -
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62 この国において、治政は王家を頂点とした貴族が司り。 信教は神殿が司っている。 普通に暮らしている人々にとって、神殿は素朴にありがたいと感じる組織だ。子供が生まれたら祝福してくれるし、人が亡くなったときも手厚く埋葬してくれる。基本的... -
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61 僕たち宝箱管理室の人間が、迷宮の管理者たるドラゴンに会いに行くときは、ドラゴンに与えられた特殊な術式を使う。 いわゆる、先触れの術式だ。 宿屋から冒険者ギルドに戻った僕は、だれもいない宝箱管理室でその術式を使った。あなたの創造主が...
