NOVEL– category –
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茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第三章
(4) 「先日、わたしの眷属がそなたたちを訪れたそうだな」 次の部活動の日、部室を訪れたましろさまはいちばんにそう言った。 いつもにこやかなましろさまにしては珍しく、少し渋い表情を浮かべている。ましろさまを迎えた若菜が苦笑を浮かべ、乃梨... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第三章
(3) 「ましろさまの眷属が現れた?」 まだ三年の教室にいた若菜が、驚いたように乃梨子の言葉を繰り返した。乃梨子と海斗は神妙な表情を浮かべ、結衣はあいまいな表情を浮かべている。 あれから乃梨子と海斗は、姿を消したましろさまの眷属を探した... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第三章
(2) 幼い子供の声だ。少なくともこの学園に通うような年齢の声ではない。 乃梨子は海斗と顔を見合わせた。お互いの表情で、いまの声が聞き間違いではないと確信した。じゃあ、どこから聞こえてきた、と考えながら首を動かすと、海斗が「いてっ」と... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第三章
(1) 茶道で教わった内容は、実はどこでも実践できる。 箸を持ち上げるとき、お茶を飲むとき、学校や家の廊下を歩くとき。だから乃梨子は機会を逃さずに、ましろさまから教わった内容を練習し続けた。自宅に帰宅したら帰宅したで、茶会の動画を繰り... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第二章
(8) 「次のお茶会は、五月の第二水曜日に行います」 次の部活動の日、学園長室から戻ってきた若菜がキリリとした表情で言った。 乃梨子が日曜日に購入した道具を部員たちに見せて、「へえ、かっこいいな」とか「猫の扇子って珍しいね」という感想で... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第二章
(7) 百貨店でけっこうな時間をとられたから、気づけばもう、お昼どきだ。 話し合いをするまでもなく、二人は足早に近くのファーストフード店に向かう。二人とも五百円で買えるセットを選んで、ギリギリ空いている席に座った。いそいで良かった。そ... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第二章
(6) 一週間はあっという間に過ぎて、日曜日を迎えた。 昨夜は雨だったから、どうなるかと思ったけれど、清々しく晴れてくれた。跳ねるようにベッドから起き上がって、パジャマから服を着替える。今日はストライプのブラウスに黒いワンピースを合わ... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第二章
(5) 結衣と別れて帰宅したところ、まだ母親は帰っていなかった。 (今日も残業なのかな) 台所には味噌汁が作ってあったし、タイマーがセットされた炊飯器ではほかほかのごはんが炊き上がっている。冷蔵庫を開けば、ラップをされた豚の生姜焼きがあ... -
茶道部のおもてなし
茶道部のおもてなし 第二章
(4) 結衣と並んで電車に座ったとき、ほうっと息を吐き出してしまった。 結衣が小さく笑う。 「乃梨子ちゃん、おつかれさま」「いやいや、奈元さんこそおつかれさま。すごいね、あんなになめらかに動けるなんて」 乃梨子が畳の上での歩きかたを指...
