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NOVEL
さいごの皇帝
かつて、人は天空に輝く星で暮らしていたのだという伝承がある。蒼く神秘的に輝く、その星の名はガイア。空を翔る船で、この大地セレネと行き来し、人は大いなる繁栄を享受していたのだという。だが、あるときをもってその交流は途絶えた。その理由には諸... -
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荒れた大地
ざああああ。 夕方から降り始めた雨は、いつの間にか、豪雨になっていたらしい。恵みの雨、と人は云うが、今の自分には災厄の雨だとアルセイドは感じた。あふれ出る血をさらに流させ、命をともす温もりを奪う雨だ。頬を叩きつけ流れていく雨粒がわずらわし... -
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時計
覚醒は突然だった。開いたそのまぶたに映るのは、漠然とした薄闇だった。はっきりと見分けられるものはない。少女はぼんやりと空を見つめる。その瞳には、まだ明確な意志は表れていない。白く長い髪を、同じく白い裸体に、ただ、まとわりつかせている。 や... -
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Contact Story
[惑星ホゥリア]地表面積の八割を海洋が占める開発途上の辺境惑星。星歴342年アル・ザンク船長の「アルシャーク」によって発見される。星歴356年地球から約500万人の移民を受け入れる。 温かなコーヒーの煙が落ち着いた雰囲気の部屋の中で揺れていた。オフ... -
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霊視球探索記
空は青く澄み上がり、雲ひとつ浮いていない。温かな陽の光が美しい庭に降り注いでいた。池のまわりに桜や柳が植えられ、池の中の蓮が《外》の季節を無視して紅白の花を咲かせている。 華やかで平和な風景の中に、一人の少年が玻璃で作られた円卓の前に腰か...