NOVEL– category –
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宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
第69話 ルーメリアを頭にのせていると、人からの注目を集めていると実感してしまう。 なにせ、小さいといえど、ドラゴンだ。 残念ながら、ぬいぐるみだと誤解する人は少なくて、ほとんどの人がギョッとしたようにルーメリアを二度見する。そして多く... -
今日も告白、明日も恋
イエー!
「あたしと付き合ってくださいっ!」「断る」 すらりとした長身が前を歩いていた。 先輩だ! 気づくと同時にダッシュをかけていた。 先輩は気配に敏い。声をかけるより先に振り返った。深いチョコレート色の瞳にあたしが映った次の瞬間、いつものよ... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
第68話 僕は口を開いた。 手のひらが触れている感触が、儚くなっていく。 その遠くなっていく感触を捉えるように、抗うように、僕は必死で言葉を紡いだ。 「僕は言いましたよね。あなたのすべてを継承して、そうして、その先を行く、と。その様子を、... -
今日も告白、明日も恋
初恋が最後の恋
小学校のとき、中学校のとき、クラスで目立ってる子をうらやましいと思ってた。 だってあの子達、努力しなくても人に好かれてるような気がしたんだもの。お友達と気まずくなる瞬間があっても、格好よくケリをつけるんだよね。配慮が抜群なの。 そう... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
第67話 ドラゴンの巨躯が、神殿の前庭に、ゆったりと身を横たえている。 双刀を収めて、僕はドラゴンに歩み寄る。紫色の瞳が僕を見て、微笑んだ。 『おぬしは……、本当に、わらわの期待を裏切らぬ』 胸の奥が熱くなる。その熱を抑え込むように、僕はそ... -
今日も告白、明日も恋
真っ直ぐにしか愛せない
たとえ大丈夫だってわかっていても、初めて行く場所って緊張しない? たとえ通い慣れてきた校内でも。 たとえ、歓迎されるとわかってるクラブ棟の部室でも! あたしとことはは、この高校生活で所属するクラブを、文芸部に決めた。 クラブ紹介のとき... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
第66話 ドラゴンは、これまで何度も、迷宮の最下層で向き合い続けてきた相手だ。 その攻撃の癖は、まだいまの段階では、正確に読むことができる。 翼を一度だけ震わせれば、高速の風刃がくる。爪を軽く地面にタップしたら、尾の横なぎがくる。首がわ... -
今日も告白、明日も恋
初恋は叶わない、ジンクスさえ憎い。
はじめての恋、って言葉には、ちょっと特別なニュアンスがあるって、思ってた。 理屈なんて関係ないの。細かい理由とか超えちゃって、言葉だけで人の心を動かす強さがあるような気がする。この言葉を聞いた大人がみんな、懐かしいものを思い出す表情で... -
宝箱集配人は忙しい。
宝箱集配人は忙しい。
第65話 神殿の地下にあった牢獄から出て、神殿の中を駆ける。 僕たちを咎める者はいない。皆、それどころではない様子で、バタバタと忙しく動き回っている。僕が見たところ、一般人はいない。そもそも神殿は、信仰の場だから、街の中央から離れた場所...
